「黒ネコのタンゴ」が米音楽グループの新譜で復活 昭和の大ヒット曲が現代に
1969年から70年にかけて日本で大ヒットした楽曲「黒ネコのタンゴ」が、米国のジャズアンサンブル「ピンク・マティーニ」の新アルバム「ジュ・ディ・ウイ!」の日本盤ボーナストラックに収録されていることが15日、分かった。
「黒ネコのタンゴ」はイタリア童謡の日本語カバー曲で、69年10月に皆川おさむ(当時6歳)のデビュー曲として発売。オリコンで14週連続1位、公称260万枚の大ヒットとなった。アポロ11号の月面着陸(69年)や日本万国博(70年)といった、高揚感に満ちた時代を彩ったヒット曲が、同日発売の新譜で現代によみがえる。
由紀さおりと共演したアルバム「1969」(2011年)で、日本の歌謡曲の魅力を世界に伝えたピンク・マティーニ。美輪明宏の「黒蜥蜴の唄」、和田弘とマヒナスターズの「菊千代と申します」、ザ・ドリフターズの「ズンドコ節」などをカバーしてきた同グループのリーダー、トーマス・ローダーデール(46)は、今回の「黒ネコ-」でも、原曲のイタリア語詞ではなく、皆川が歌った日本語詞を収録した。
“オトナの歌謡曲プロデューサー”佐藤利明氏は「各国のスタンダードをピックアップして、その国の言葉で歌う。セレクトする基準があるとすれば、それがトーマスの琴線に触れたかどうかだろう」と解説している。
また、同アルバム収録曲の「孤独」はポルトガルの民族歌謡・ファドの名曲。同曲は、ちあきなおみがファドを歌い込んだアルバム「待夢(たいむ)」(83年)に「黄昏」のタイトルで収録されている。その選曲のセンスは、時代や国境を越えてシンクロするのだと実感させられる。