松方弘樹さん幻の共演作 交流再開の弟・目黒祐樹と「ファミリーヒストリー」

 21日に脳リンパ腫のため74歳で死去した俳優の松方弘樹(本名・目黒浩樹)さんが、弟で俳優の目黒祐樹(69)と、NHKのドキュメンタリー番組「ファミリーヒストリー」(木曜、後7・30)で共演を果たす予定だったことが24日、明らかになった。また、松方さんが死の直前、関係者からの呼びかけに対し、涙を流していたこともわかった。

 兄弟ともに俳優として第一線で活躍しながら、共演経験はほぼなかった松方さんと目黒。そんな二人が一つの画面で顔を合わせる“幻の共演作”が用意されていた。

 松方さんの事務所関係者によると、二人が共演する予定だった番組は、NHKの「ファミリーヒストリー」。各界の著名人が、父母や先祖について語るスタイルで、松方さんと目黒が二人でVTRを見ながら語り合うことになっていたという。収録は昨年11月に行われる予定だったが、松方さんの体調が優れなかったことから延期となり、最終的には目黒が年末に一人で収録に参加。兄弟共演は幻に終わった。

 関係者によると、松方さんと目黒は約30年にわたり没交渉状態だったが、3年ほど前に再会した際に会話を交わし、交流を取り戻した。その後は、直接会うことはほとんどなかったというが、連絡は取り合っており、入院中の松方さんを目黒が見舞うこともあった。

 また、同じく事務所関係者によると、松方さんは21日に死去する前日まで意識ははっきりしており、病室では大好きな相撲中継に興じることもあった。だが、昨冬に容体が悪化した際には、医師から「リンパ腫が脳内の呼吸中枢に影響を及ぼした場合、いつ呼吸が止まってもおかしくない」と予告されており、21日に静かに息を引き取った。

 松方さんの最期は、事実婚状態で元女優の山本万里子さん(44)と、事務所関係者2人の計3人でみとった。死の直前、関係者が松方さんに「今までお世話になりました。ありがとうございました」と声を掛けると、松方さんは自らの死を覚悟していたのか、涙を一滴流して応えていたという。

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