羽生結弦が映画出演 お殿様でござる
フィギュアスケーターでソチ五輪金メダリストの羽生結弦選手(21)が、映画「殿、利息でござる!」(5月14日公開)で俳優デビューすることが3日、分かった。出身地・仙台の実話を基にした時代劇で、伊達の殿様役を気品あふれるマゲ姿で演じている。中村義洋監督(45)は「殿様としての説得力にみちあふれておりました」と絶賛。昨夏の撮影後には氷上で自らの世界記録を更新。表現者として、2018年の韓国・平昌五輪に向けて大きな糧となったようだ。
殿は結弦でござる!まさかのキャスティングが実現した。
映画の舞台は、江戸時代の仙台藩。困窮する宿場町を救うため、現代の価値で3億円をかき集め、藩に貸した利子で生活を楽にしようとする町人たちの汗と涙の物語だ。
主演の阿部サダヲ(45)や妻夫木聡(35)ら豪華キャストが集結したため、製作サイドは「『殿様=雲の上の人』と仰ぐ俳優さんがなかなか見つからなかった」と四苦八苦。中村監督は「キャストをも圧倒する存在はもはや役者ではないのではないか」と発想を転換し、畑違いながら地元出身の羽生選手に白羽の矢を立てた。
昨夏の撮影時がシーズンオフだったこともあり、故郷のためにと羽生選手も快諾。映画の終盤で台本12行ほどの本格的な演技を見せている。出演は俳優にも当日まで極秘とされ、羽生選手の登場に一同驚がくしたという。
舞台をリンクからスクリーンに移しても、歌舞伎俳優を思わせる存在感と気品はさすがの一言。セリフをすべて頭にたたき込んで現場入りし、妻夫木らにどん欲に質問をする姿に池田史嗣プロデューサーは「さすが世界王者だと頭が下がる思いでした」と脱帽した。
演技について「スケートとは違って振りがなく、セリフに合わせて動かなければいけないのでとても難しく、緊張してしまいました」と振り返った羽生選手。とは言うものの「表現者として今回の貴重な経験を活かすことができたのではないか」と語ったように、撮影後の昨年12月のグランプリファイナルでは世界記録を更新する330点超えを記録。アスリートとしても貴重な経験を積んだようだ。
