市川猿翁 5カ月ぶり公の場でナマ声

 体調不良で静養中の歌舞伎俳優・市川猿翁(73)が30日、京都・南座で初日を迎えた「吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎 二代目市川猿翁 四代目市川猿之助 九代目市川中車 襲名披露」(千秋楽・26日)夜の部の口上に登場した。公の場に姿を見せるのは6月以来、約5カ月ぶり。口上は猿之助(38)が代読したが、藤十郎のあいさつに合わせて生声を披露するなど“役者魂”を見せつけた。

 猿之助、中車の襲名あいさつが終わり、坂田藤十郎(81)が猿翁を舞台に招き入れた。

 椅子に座ったまま登場した猿翁は、黒の紋付きに茶色のはかま姿。会場からは「澤瀉屋(おもだかや)」と大向こうのかけ声がかかり、猿翁は拍手に手をあげてこたえた。

 約5カ月ぶりの舞台だった。今年1月、大阪松竹座での襲名披露公演を風邪で休演し、同下旬から都内の病院に入院。3月28日の歌舞伎座開場の手打ち式には病院から駆けつけた。5月30日に退院したが、6月の博多座公演も体調不良を訴え休演が続いていた。最後に公の場に出てきたのは、同27日の「第22回モンブラン国際文化賞」の授賞式で、中車に介添えされての登場だった。

 関係者によると、猿翁は今回の襲名披露のために体調を整え、数日前に京都入り。28、29日と同劇場で行われた舞台稽古を見学して、本番に備えてきたという。

 猿之助に代読させた口上には「みなさま、ようよう京都まで上ることができました。なにとぞこの後も、私はじめ澤瀉屋一門を末長くごひいきに」と思いをしたためた。藤十郎が「隅から隅までずいーっとこい願い上げ奉りまする」と発声すると、猿翁も声を出し、客席全体を見渡しおじぎをするしぐさも見せた。その役者魂に会場からは惜しみない拍手が送られていた。

 猿翁は1日以降も夜の部の襲名披露口上に出演する予定となっている。

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