尼崎変死…これが本物の美代子容疑者
尼崎東署捜査本部は7日、死体遺棄容疑で角田(すみだ)美代子容疑者(64)ら8人を逮捕した。今後、殺人容疑も視野に捜査するが、殺意の立証や行方不明者の把握など、全容解明には多くの関門が待ち受ける。
十数人が暮らす“密室”で何があったのか。捜査の長期化は避けられず越年は必至だ。一方、兵庫県警は同日、美代子容疑者の顔写真を報道各社に公開。「顔写真の公開によって、新たな被害申告や情報提供につながる可能性がある。今回は例外的なケース」と説明した。
尼崎市の橋本次郎さん=当時(53)=の遺体を岡山県の海に遺棄したなどとして、死体遺棄容疑で、逮捕されたのは、美代子容疑者のほか、義理のいとこの李正則容疑者(38)、義妹の角田三枝子容疑者(59)、義理の娘角田瑠衣容疑者(27)、美代子容疑者の内縁の夫鄭頼太郎容疑者(62)、養子の長男健太郎容疑者(30)、次男優太郎容疑者(25)、優太郎容疑者の妻の姉の夫仲島康司容疑者(42)で、一部は容疑を認めている。
捜査本部は美代子容疑者が遺棄事件の「首謀者」とみており、美代子容疑者は、自らの関与を認めた上で「おおむね間違いないが、8人全員が関与したわけではない」と一部否認した。
美代子、三枝子、瑠衣容疑者の3人は別の事件で起訴され勾留中、李容疑者は服役している。ほかの4人は新たな逮捕となる。橋本さんを含めいずれも尼崎市の美代子容疑者の自宅マンションで集団生活をしていた。
逮捕容疑は、美代子容疑者ら8人は共謀し昨年7月下旬ごろ、自宅マンションから橋本さんの遺体を運び出し、ドラム缶にコンクリート詰めにし、同11月上旬ごろ、岡山県備前市の海に捨てた疑い。捜査本部は美代子容疑者が親族に「なんとかせい」と指示し、親族らが遺体を運んだとの証言を得た。
美代子容疑者の周辺では、昨年11月にドラム缶にコンクリート詰めで見つかった大江和子さん=当時(66)=を含め5人が遺体で見つかり、4人が行方不明。捜査本部は4遺体について殺人容疑でも立件を目指すが、いずれも目立った外傷はなく死因も不明。「監禁中に衰弱死した」「6人が殺害された」などの証言はあるが、物証は乏しい。捜査幹部は「現時点で全て明らかにできるとは言わない。一歩ずつ進めば結果は必ずついてくる」と話している。
