沖田浩之さん自殺 多額の借金苦か…金八・武田は涙こらえ「悔しい、切ない」

 1980年代初頭の人気アイドルで、ドラマ「3年B組金八先生」で知られる俳優の沖田浩之さんが36歳の若さで衝撃的な首つり自殺を遂げたのは、1999年3月27日のことだった。

【以下、1999年3月29日の紙面から】

 俳優・沖田浩之さん(享年36)が川崎市高津区内の自宅で首つり自殺してから一夜明けた28日、悲しみに包まれた沖田さんの自宅には、恩師・金八先生こと俳優の武田鉄矢、所属事務所社長でもある津川雅彦(59)・朝丘雪路(62)夫妻をはじめ数多くの弔問客が訪れた。また、かつて21歳の年の差を超え熱愛が伝えられた女優・山本陽子(57)から“元恋人”の早すぎる死を悼む花も。不可解な自殺の背景に、多額の借金がからんでいたこともこの日、明らかになった。

 突然の、そして不可解な死。情報が錯綜(さくそう)する中、沖田さんの自殺の動機が多額の借金を苦にしたものであるということが次第に明らかになってきた。

 ◇      ◇

 この日午前中、悲しみにくれる沖田さんの自宅を金融業者と思われる人物2人が訪問、3時間以上にわたって滞在した、。親類の1人がバブル崩壊後、不動産業で失敗し、連帯保証人となっていた沖田さんが負債を肩代わりする形になり生活に窮していたという情報もある。

 さらに、弔問に訪れた沖田さんの知人は「(借金は)彼の器量で返せない額ではなかった」と負債があったことを認める発言をするなど、自殺の背景に金銭問題がからんでいたことは否めない。

 前夜の会見で津川は「あいつのように地面から生えてきたような男が借金で死ぬはずがない」と話し、朝丘もこの日「そういうことで死ぬようなヒロ(沖田さん)じゃない」と言い切った。2人は真実を知るはずだが「芸能界の息子」として愛情を注いだ沖田さんへの、最後の思いやりかもしれない。

 この日は午前中から沖田さんの友人や、活動の中心だった舞台関係者などが弔問に訪れた。みな一様にショックを受けた様子で、表情は暗く沈んでいた。8月に出演が決まっていた新宿コマ劇場ミュージカル「オズの魔法使い」の関係者は「2月に打ち合わせをした時はごく普通で、舞台への意欲を語っていました」といまだに信じられない様子。

 夜になって駆け付けた武田は「バカヤロー!先に逝くやつがいるか」と教え子をしかった。涙をこらえ「悔しい、切ない、気持ちの落ち着けどころが見つからない。カッコ付けすぎだ。もっとぶざまに生きてもよかったのに」と声を詰まらせた。

 死を悼む花も数多く寄せられた。83年にドラマで共演し、21歳年上の恋人として熱愛が伝えられた山本からも花が届いた、。

 周囲のけん噪を知らず、沖田さんは自宅1階の和室で棺に収められ、兄と妻・千代子さん、親しい友人数人に見守られて静かに眠っていた。

 沖田浩之さんと同じ事務所で先輩の西岡徳馬は28日、テレビのロケ先の京都市内で「昨日の夜7時30分ごろに津川さんから電話があった。信じられません」と唇をかみしめ無念の表情。「以前、よく彼がうちに遊びにきて酒を飲んだ。弟分みたいなもの。芝居にも目覚めて、結構真面目な演劇論も交わしたよ」と、故人をしのんでいた。

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