荒川怜郁2位発進 現役女子大生が地元で満点デビュー 笹生、山下、西郷と同じ新世紀世代

 初日を3アンダーと好スタートをきった荒川怜郁(撮影・中田匡峻)
 1番、ティーショットを放つ荒川怜郁
2枚

 「女子ゴルフ・ダイキン・オーキッド・レディース・第1日」(2日、琉球GC=パー72)

 2023年シーズンが開幕し、昨年11月のプロテストに合格した地元・沖縄出身の荒川怜郁(れいか、21)=橋本総業ホールディングス=が5バーディー、2ボギーの69で回り、首位と3打差の2位と好発進した。今季限りでの日本ツアーからの引退を表明したイ・ボミ(韓国)は2オーバーの44位。前半の5連続を含む7バーディーを奪った渡辺彩香が66で回り、6アンダーで単独首位。昨季女王の山下美夢有は2アンダーの6位につけた。

 最後も迷いのないスイングだった。最終18番パー5の第2打、荒川が残り240ヤードを3番ウッドで振り抜いたボールはピン右7メートルへ。イーグルパットは外したがバーディーで終え、「100点以上のゴルフができた」と振り返った。

 昨年11月のプロテストに合格した新人。地元で迎えた開幕戦の初日は1番ホールの1組目でオナーを務めた。「ティーグラウンドにどう立っていいか分からなくて。違う人の名前を紹介されたらどうしようと。チョロするんじゃないかと」

 それでもアゲンストの第1打はドライバーをかっ飛ばし、無事にフェアウエーへ。「パンチが入って、カップに入っていなかったら危なかった」という6メートルのパットも決まり、バーディー発進した。

 その後は「アウトの後半からインの前半にかけて難しいコース。しっかり我慢しきれた」と、昨年10位でベストアマに輝いた琉球GCを攻略。連続バーディー締めにつなげた。

 現在も岐阜県の中部学院大に在学する女子大生プロ。地元に戻ったのは10日前でクラブが冬仕様。開幕前日に急きょ、暖かい沖縄用の硬いシャフトにしたのが奏功した。「思い切って振れたのがよかった」と、フェアウエーを外したのは4ホールだけだった。

 パターも前日までは自分の2本がまったく入らなかったが、急きょテーラーメイドから提供されたスパイダー・トラスが「合った。すぐに使った」と活躍。デビュー戦ならではのドタバタはあったが、気持ちやプレーはブレなかった。

 プレーを見守った父・淳さんに幼い頃から助言されたのは「曲がってもいいから振り切れ」だけ。2月の合宿で指導を受けた中嶋常幸プロから1週間前に届いたショートメッセージには「ファンの人を大切に回りなさい」。それをこの日はどちらもやり切った。

 地元ファンの声援に応じようと「多方向にあいさつしないといけなくて。一方向じゃないんだ」と苦笑いした荒川だが、残り3日間へ「一つずついいスコアを目指して、いい順位になれば」。笹生、山下、西郷と同じ新世紀世代の新星が、いきなり旋風を巻き起こす。

 ◆プロデビュー戦Vなら日本選手初 過去にプロとして臨んだツアー初戦で優勝したのは2010年にダイキン・オーキッド・レディースを制したアン・ソンジュ(韓国)だけ。日本選手最速はプロ転向2戦目にNEC軽井沢72に勝った笹生優花で、荒川が今大会に勝てば初となる。

 ◆荒川怜郁(あらかわ・れいか)2001年6月10日、沖縄県うるま市出身。5歳からゴルフを始めた。小学生時代は金管楽器のトロンボーン担当、中学ではテニス部、コザ高では陸上部にも所属。現在、中部学院大スポーツ健康科学部3年で、メンタルトレーニングや栄養学を勉強する。釣った魚をさばく動画を見るのが好きで、自分でも「いずれはやりたい」。22年11月の最終プロテストは16位で通過。家族は父・淳さん(52)、母・七重さん(52)と弟。169センチ、63キロ。

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