三菱電機レディースはプラチナ世代・西村優菜が初優勝 2020年女子ゴルフを振り返る

 昨年の女子ゴルフ界は2000年度生まれのプラチナ世代が躍進した年だった。西村優菜(20)=フリー=が樋口久子・三菱電機レディース(10月30日~11月1日、埼玉・武蔵丘GC=パー72)でツアー初優勝を果たし、同世代で先に優勝を経験していた古江彩佳に続いた。

 優勝は鮮やかな大逆転で飾った。3位から出た西村は8バーディー、1ボギーの65と大爆発。通算11アンダーでホールアウトし、スタート時の首位・勝みなみとの6打差をひっくり返した。

 最終18番は1メートルのウイニングパットをど真ん中から沈め、右の拳に何度も力を込めた。「優勝はすごい早かったなという感じがします。今日は強い気持ちでプレーできた。自分でも成長したなと思います。優勝は母(枝里子さん)にささげたい」。色白のほおをうれし涙が流れた。

 圧巻のプレーだった。前半で2つスコアを伸ばし、14番のバーディーで勝との差が2打に縮まると、この時点で優勝を意識したという。「最初はトップ3が目標でしたが、14番から優勝を目指して頑張ろうと思った」。いわゆる“ゾーン”に入ったのか、15、16番と3連続バーディーを奪い、この勢いのままVゴールに飛び込んだ。

 優勝の原動力は9月の日本女子プロゴルフ選手権で味わった悔しさだった。この試合は3日目単独首位に立ちながら最終日に76と崩れ7位に終わった。「あの時は守りに入ってしまった。だから今日は攻めのマネジメントをしました」。アマチュア時代はナショナルチームに所属し、ガレス・ジョーンズコーチからコースマネジメントの大切さを徹底的にたたき込まれているだけに、攻守の切り替えは難しくなかったのだろう。

 00年度に生まれたプラチナ世代の中心選手だが、同期の古江は19年の富士通レディースでアマチュア優勝を果たし、昨年もデサント東海クラシックで既にツアー2勝目をマーク(その後に伊藤園レディース、大王製紙エリエールでも優勝)していた。「どちらの優勝も間近で見ていたので、本当にいい刺激になった。私も優勝とか上位で争いたいと思いました」。好敵手に追いつけ追い越せの気持ちが、初優勝のもうひとつの原動力だった。

 ルーキーイヤーに鮮やかな初優勝を果たし、昨年最終戦のJLPGAツアー選手権リコー杯も堂々の3位。賞金ランクは獲得賞金4796万4000円で7位につけている。

 ちなみに昨年の部門別成績ではフェアウエーキープ率9位(74・6544%)、パーオン率16位(71・7054%)、平均パット数4位(1・7676)、パーセーブ率19位(85・4005%)そして平均ストローク8位(71・0917)。ショット、パット、アプローチのすべてで精度が高く、安定感抜群のプレーを支えているのが分かる。

 「これからもうまくいくことも、うまくいかないこともあると思う。日々勉強と思って成長していきたい」。三菱電機優勝後にはこう決意を述べている。今年のさらなる飛躍に期待したい。

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