“異色プロ”遠藤彰が首位タイ発進 ツアー初出場の元スキー選手「大、大、大満足」

 「男子ゴルフ・日本ツアー選手権・森ビル杯・第1日」(1日、宍戸ヒルズCC=パー72)

 元アルペンスキー選手で19歳からゴルフを始め、今季ツアー初出場の38歳の遠藤彰(38)=S.Sテック=が6バーディー、2ボギーの4アンダー67で回り、2週前の関西オープンで初優勝した今平周吾、小平智、武藤俊憲、中島徹ら7人と並んで首位に立った。第1日に8人が首位に立つのは1999年JGTO発足以来3回目。

 異色の選手がリーダーズボードを駆け上がった。前半アウトで3バーディーを奪った遠藤が最難関ホール、481ヤードの17番パー4で“魅”せた。フェアウエーから残り200ヤードの池越えを4Iでベタピンにつけてバーディー。単独トップに立って迎えた18番でティーショットを曲げてボギーとしたが、ツアー初のトップに立った。

 3歳でスキーを始め、全国中学選手権では3年時に回転7位、大回転8位。W杯、五輪を目指し、15歳でカナダ・ウイスラーにスキー留学したが、18歳の時に右足の内側じん帯を痛め、スキーを断念した。ゴルフはリハビリ中に遊びで始めて、その面白さにはまり「ゴルフはスキーほど練習が厳しくない。これなら楽しんでやれそう」と19歳でプロを目指した。

 それからは決して平坦な道ではなかった。栃木県益子CCで研修生になる直前には、生活費を稼ぐために福島県内のダム工事現場で働いた経歴もある。苦労の末、07年に27歳でようやくプロテストに合格。まだシードを取ったことはなく、今大会は昨年最終予選会36位の資格での出場だった。

 2日目は8年前に結婚した管理栄養士の妻・佳緒里さん(45)が応援に来る。「自分に期待して結婚してくれたんだと思いますけど…。はい、働いて食べさせてもらいました。明日は甘くないと思うけど、落ち着いてできればいいかなと思います」と浮かれることなく目標を口にした。

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