穴井詩ツアー初優勝 大会新14アンダー笑顔満開「泣く予定だったのに」

 「女子ゴルフ・ゴルフ5レディース・最終日」(4日、ゴルフ5カントリー美唄=パー72)

 首位からスタートしたプロ9年目の穴井詩(らら、28)=GOLF5=が6バーディー、1ボギーの67と大きく伸ばし、大会新記録となる通算14アンダーでツアー初優勝を飾った。今季はイーグルへの欲を捨て、バーディー量産に目標転換した飛ばし屋の大願成就だった。2打差の2位は申ジエ(韓国)が入った。

 米国の大学を中退して、ミニツアーから米ツアーへ進出する夢を抱いたのは10年前だった。しかし、あっという間に大赤字になり挫折。ゴルフクラブとボストンバッグ1つ、約2万円の所持金で穴井が帰国したのは07年だった。翌年のプロテストに合格し、ツアーで最終日最終組を経験すること9度目、ようやく初優勝がかなった。

 「いやぁ、よかったです。うれし涙は…タイミングを逃したんです。優勝スピーチでみなさんへの感謝の気持ちやいろいろちゃんと話してから泣く予定だったのに…」。悔し涙は何度も流してきた。それだけに本人も周囲も涙でグチャグチャのVシーンを想像していたが、「思ったよりあっさりしてました」と笑みを浮かべた。

 4、5番の連続バーディーで単独首位に躍り出た。後半に入るとさらに勢いは加速する。10、11番の連続バーディーに続き、15、16番でも伸ばし、イ・ボミと申ジエの追撃を振り切った。ドライバーの平均飛距離270ヤードの飛ばし屋だが、「今年はイーグル数へのこだわりを捨て、バーディー数を上げようと決めたんです」。パー5で無理に2オンを狙わず、3日間通算で2ボギーに抑えたマネジメントがカギになった。

 プロ合格後2年半はほとんど稼げず、90分1200円の学習塾講師のアルバイトで生計を立てた。そんな下積み時代も所属会社「GOLF5」主催大会での初優勝という最高の形で報われた。

 「何か因縁を感じますね」。音楽好きになるようにと両親から名付けられた「詩(らら)」は、「美唄(びばい)」で手にした勝利の味をかみしめた。

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