三重県オープンフィットネス大会が１６日、津リージョンプラザお城ホールで行われ、三重テレビアナウンサーの奥村奈央選手（２５）がビギナーズフィットネス部門で優勝を果たした。

　鮮やかなピンクのレギンスをまとい、ステージで圧倒的な存在感を放った。指先、足先まで意識されたメリハリあるポージングで会場を魅了。アナウンサー業とトレーニングの両立の末、念願の金メダルを手にした。

　「名前が呼ばれてびっくりしました。奇跡の瞬間だなと思いました」

　昨年にコンテストデビューを果たすも、初ステージは最下位。大会仕様に肉体を仕上げる減量に苦戦した。炭水化物、脂質をカットし、過度な食事制限で脂肪燃焼を試みたが体重は変化せず。いくら頑張っても動かない体重計の数字を見つめ、精神も追い込まれていった。「最後も本当に体重が落ちなくて。命の危機を感じるくらいフラフラになった」。限界まで挑んだ努力は報われなかった。

　転んだままでは終われない。今年はスポーツフードマイスターの資格も習得し、栄養の知識を頭にたたき込んだ。鶏ハム、サラダ、さつまいもなどをバランスよく摂取して鮭など良質な油も臆せず口にした。「去年とは体重の落ちが全然違いました」。アナウンサーとしても高みを見据える奥村選手。午後１１時のニュースも担当するなど、不規則な生活リズムを送る中でもトレーニングの妥協は許さなかった。朝４時からジムで汗を流し、６時から勤務開始も当たり前。過酷な環境を乗りこなして理想の肉体を追い求めた。

　最下位から描いた下克上物語。愛知県フィットネス選手権でも準優勝を果たし、飛躍を実感するシーズンを過ごした。「来年はビキニなどの挑戦も視野に入れて頑張っていきたいです」。まだ挑戦は始まったばかり。筋トレアナウンサーとして鍛錬を積んでいく。

（デイリースポーツ・北村孝紀）