大輔ジャンプ転倒「今は不安しかない」

 「フィギュアスケート全日本選手権」(21日開幕、さいたまSA)

 フィギュアスケートのソチ五輪代表最終選考会を兼ねた全日本選手権は21日、さいたまスーパーアリーナで開幕する。20日は前日練習が行われ、女子で逆転での五輪代表入りを狙う安藤美姫(26)=新横浜プリンスク=は、腰痛を抱えながらも上々の動きを披露。大混戦となっている男子では、右足すねの負傷から強行出場の高橋大輔(27)=関大大学院=が、4回転ジャンプで転倒が目立ち、不安を残した。五輪代表は23日の全日程終了後に発表される。

 完調ではないのは明らかだった。11月下旬に右脛骨(けいこつ)骨挫傷で全治2週間のケガを負った高橋は、まだ痛みを抱えたままの強行出場。他の選手が高難度ジャンプを次々決めていく中、前日練習では4回転ジャンプで6回中3回転倒。成功はなく、本番へ不安を残した。練習後は「今は不安しかない」と、悲壮感を漂わせた。

 負傷後は4~5日間、氷上練習を休んだ。その後は医師と相談しながらの慎重な調整を強いられた。得意のステップでは本来の切れ味を見せていたが、足に負担の大きいジャンプの感覚はまだ取り戻せていない。4年前のバンクーバー五輪の選考でも、前年に手術した右ひざの不安を抱えながらだった。「4年前より今の方がキツい。4年前は行けたらいいなだった。今回は後がない」と本音が漏れた。

 世界ランキング、今季ベストとも日本人2位の高橋は、表彰台に上がれば代表入りが当確。4位以下でも選出される可能性は十分残されている。ただ、逆転代表入りを狙うライバルたちは、今大会に向けて仕上げてきており、予断は許さない。

 今季限りでの現役引退を表明している高橋にとって、代表落選は競技生活の終わりを意味する。「これが最後の演技という気持ちでやりたい」。これまで何度も逆境を乗り越えてきた日本のエースが、最後の試練に挑む。

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