安青錦 最速綱へ好発進!若元春の立ち合い変化にも冷静「このまま行けたら」部屋近くウクライナ料理店が後押し

若元春(右)を攻める安青錦(撮影・高部洋祐)
「ドミウカ」で写真に納まる安青錦(後列右から2人目)、安治川親方(同左端)、真下博志さん(前列中央)、右は展示された化粧まわし(ドミウカ提供)
若元春(右)を寄り切りで下す安青錦
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 「大相撲春場所・初日」(8日、エディオンアリーナ大阪)

 綱とりの大関安青錦(21)=安治川=が白星スタートを決めた。小結若元春(荒汐)を寄り切った。双葉山以来89年ぶりの新関脇、新大関と2場所連続優勝から、異次元のスピードでの最高位を一気に狙う。両横綱は豊昇龍(立浪)が新小結熱海富士(伊勢ケ浜)を寄り切り、大の里は若隆景(荒汐)に押し出され苦杯を喫した。大関琴桜(佐渡ケ嶽)は義ノ富士(伊勢ケ浜)を上手投げで下した。師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱照ノ富士)から暴行を受けた伯乃富士は、欧勝馬(鳴戸)にはたき込みで敗れた。

 安青錦は察していた。立ち合いで若元春が左に跳んでも「(予感が)なくはなかった。先場所もずれてきた。頭より体が対応できた」と動じない。低い体勢のまま左をつかみ、右を絞って吹き飛ばすように寄り切った。

 綱とりへ好発進。「いつもと変わらずだいぶ緊張した」と振り返りながら、大阪の大声援を「注目されありがたい。相撲が好きな気持ちが伝わってきた」と歓迎。新入幕から6場所連続11勝以上、優勝2回の大関から貫禄が漂ってきた。

 初土俵から所要16場所で横綱昇進を果たせば、朝青龍の25場所を更新し、年6場所制となった1958年以降で最速(付け出しを除く)。同様に新入幕から所要7場所なら、同9場所の大の里の記録を上回る。大関在位2場所の昇進は、昭和以降で1937年5月場所後の双葉山、1942年5月場所後の照国以来、84年ぶりとなる。

 安治川親方(元関脇安美錦)の後押しもある。2月14日に部屋から徒歩圏内にウクライナ料理店「ドミウカ」がオープン。経営する真下博志さん(62)は「安青錦のための店です。メニューも安青錦の好物ばかり」と語る。店名はウクライナ語で「家」だ。

 昨年秋、部屋でウクライナ料理を並べた食事会に安青錦が大喜び。おかみさん、支援者を中心に開店計画が動いた。物件を探し、ウクライナ人支援者が内装を整え「母国の家にいるような」空間を演出。支援者の母をシェフとして日本に呼び、真下さんは昨年12月に経営面を託された。

 オープン時に安青錦から「おいしい。ありがとう」と感謝された真下さん。デルニー(じゃがいものパンケーキ)が特に好物で、トロベンカ(チキンとマッシュルームのクレープ巾着)を「手で食べる方がおいしい」とぱくぱく口に運ぶ姿がうれしかった。春場所宿舎に出張料理するプランもある。綱とりへ部屋の内外が一丸となっている。

 新調した黒の締め込みで躍動した安青錦。「いいスタートを切った。このまま行けたら」と穏やかに語った。

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