柔道 阿部一二三2119日ぶり黒星から復帰戦V誓う「あの負けでより隙なくなった」
柔道男子66キロ級で、五輪2連覇王者の阿部一二三(28)=パーク24=が5日、都内で取材に応じた。6日に開幕するグランドスラム東京大会(東京体育館)は、2119日ぶりの黒星を喫した6月の世界選手権以来の実戦。「得られるものはすごく多かった。僕自身、負けから強くなってきたので。あの負けでより隙がなくなったかな」と復帰戦Vに自信をただよわせた。
この日は、都内の味の素ナショナルトレーニングセンターで行われている日本代表合宿で最終調整した。どの選手よりも早く、全体練習開始前からランニングとサーキットトレーニングを開始。その後は打ち込みなど約1時間半みっちりと汗を流し、残った時間はトレーナーとのケアに当てた。自身の出番は7日。現在のコンディションについて「すごい調子が良い」とうなずいた。
6月の世界選手権では、準々決勝でオビド・ジェボフ(タジキスタン)に敗れ、個人戦では19年8月26日の世界選手権準決勝の丸山城志郎戦以来、2119日ぶりの黒星を喫した。ただ半年が経過し、すでに気持ちは前を向く。「負けたときこそ初心に戻れるし、ロス五輪で3連覇するためにどうしたらいいかを考えられた。いろんな部分でリセットされた。積み上げてきたものはなくならないけど、ある意味、ロス五輪3連覇に向けて1からスタートだなと思った」ときっぱりと語った。
GS東京大会で順当に勝ち進めば、25年世界選手権を制した武岡毅(パーク24)と準決勝で、敗れたジェボフとは決勝で当たる。26年6月からはロサンゼルス五輪のシード権に関わるポイントレースが始まるため、同10月の世界選手権(バクー)代表入りに向けても確実に制しておきたい。一二三は「唯一日本でやる国際大会。世界選手権では優勝を逃しているので、しっかりここで勝ち切って、来年の世界選手権につなげたい」と気持ちを引き締めた。





