友野一希 今季自己最高点でSP首位発進 GP初V、ファイナル&五輪へ望みつないだ「失うものはないと思ってがんがん攻めていった」
「フィギュアスケート・アメリカ杯」(14日、レークプラシッド)
開幕し、男子SPは第3戦4位の友野一希(27)=第一住建グループ=が今季自己最高の95・77点で首位に立った。GP初優勝を果たせば、ミラノ・コルティナ五輪代表選考で重要な位置付けとなるGPファイナル(12月4~6日・名古屋)進出が決まる。壷井達也(シスメックス)は77・68点で6位発進。ペアSPで昨季世界選手権覇者の三浦璃来、木原龍一組(木下グループ)は74・42点で2位だった。アナスタシア・メテルキナ、ルカ・ベルラワ組(ジョージア)が78・83点でトップ。
初優勝、そして五輪につながるファイナル初進出へ望みをつないだ。友野が通算16度目のGPで2021年のロシア杯以来、2度目のSP首位発進。好演技をかみしめた後、右手でガッツポーズをつくり「失うものはないと思って、がんがん攻めていった。ほっとした」と充実感を漂わせた。
いつもはアイコンタクトで送り出す平池大人コーチからハイタッチを求められ「思い切りやって気合が入った」という。昼の公式練習で踏み切りを試行錯誤した4回転-3回転の連続トーループを決めると、4回転サルコーは2点近い加点を引き出す。得意の表現では、アップテンポな曲に乗せた激しいステップで観客を沸かせ「エキサイティング」と手応え十分だった。
3位で終えたロシア杯は「GPの中で一番覚えている」という苦い記憶だ。今季もSP2位のスケートカナダで表彰台を逃した。鬼門のフリーへ「4年前、そしてカナダのリベンジをしたい」と意気込んだ。集大成と位置付け、五輪の初切符を目指すシーズン。27歳のベテランに主役となる舞台は整った。





