5強は明暗 全日本、箱根はどうなる?平林抜けても層の厚さみせたV国学院大、2位早大は1年生トリオが上々デビュー 駒大、青学大は期待の2年生が不発 中大は主力が精彩欠く
「出雲全日本大学選抜駅伝」(13日、出雲大社前~出雲ドーム前=6区間45・1キロ)
大学三大駅伝の開幕戦が行われ、下馬評の5強と称された5大学は明暗が分かれる形となった。国学院大が2時間9分12秒で2年連続3度目の優勝を飾った。強力ルーキーを加えた早大が2位となり、14年ぶりの表彰台となった。2年ぶりの優勝を狙った駒大は5位、箱根王者の青学大は14年ぶりの5位以内を逃す7位、5000メートル、1万メートル平均タイムトップの中大はまさかの10位に終わった。
昨年までの大エース、平林清澄が抜けた国学院大だったが、昨季2冠を経験している2年生を中心に層の厚さをみせた。1区青木瑠郁(4年)がトップと14秒差の5位で2区につなぐと、2区尾熊迅斗(2年)も5位をキープした。留学生も投入されるエース区間の3区で野中恒亨(3年)が力走し2位に浮上すると、当日変更で投入された4区辻原輝(3年)が区間新記録の走りでトップに浮上した。「前評判低かったと思うが、万博最終日、この出雲の4区を辻原輝をアピールする、辻原輝パビリオンにしようと思って走った。野中の走りで勇気をもらった」と振り返った。
23秒のリードでたすきを受け取った5区高山豪起(4年)、区間2位の走りで首位を独走。アンカー6区・6区上原琉翔主将(4年)も区間4位の安定した走りでゴールテープを切った。
早大は3~5区に配置した1年生トリオが上々の駅伝デビュー。3区鈴木琉胤(1年)が区間5位、4区佐々木哲(1年)が区間6位でまとめ、5区堀野正太(1年)も区間7位でまとめた。2区で9人抜きの区間賞の走りだった山口智規(4年)、アンカーで首位を追い上げた“山の名探偵”工藤慎作(3年)も仕上がりの良さをみせ、今後への期待をもたせた。
エース佐藤圭汰の不在が響いた駒大。3区で桑田駿介(2年)が区間9位、5区で菅谷希弥(2年)が区間8位となり、上位に離される形となった。
青学大は当日変更で投入された2区折田壮太(2年)が区間10位、3区の飯田翔大(2年)も区間10位と期待の2年生が不発。原監督は「2年生が今後チームを背負っていく。ばけばけ大作戦で化けてくれれば、新生青山学院伸びしろがあるんでしょうね。まあ課題が残ったレースですね」とした上で、「駅伝は経験しないと、練習では培えないものもある。当然黒田のように天性駅伝男のようなランナーもいるが、そういうのは稀。しっかり経験させていかないと。まずは学内競争を勝ち抜いて、駅伝に参加してガチンコ勝負で戦ってほしい。やっぱり記録会とかの記録ではない。本番で経験を積む。本番の失敗は本番で返すしかない」と全日本、箱根に向けてハッパをかけた。
V最有力とも目されていた中大は1区岡田開成(2年)が圧巻のロングスパートで区間賞を獲得したが、2区の濱口大和(1年)が区間11位に沈み、流れを失った。3区主力の溜池一太(4年)、4区エース吉居駿恭(4年)とともに区間7位と不発に終わり、最後まで巻き返せなかった。
11月の全日本大学駅伝は8区間106・8キロ、来年1月の箱根駅伝は10区間217・1キロ。よりスタミナと層の厚さが求められていく中で、勢力図はどう変化していくだろうか。





