引退の宝富士、142年続く青森出身幕内力士に貢献「記録をつなげられたの誇り」
元関脇宝富士の桐山親方(38)=本名杉山大輔、青森県出身=が発表から一夜明けた2日、両国国技館内で引退会見を開いた。「やり切ったので悔いはない。体が限界」などと、時折笑みを浮かべて語った。今後は伊勢ケ浜部屋の部屋付き親方として、後進の育成に励む。
青森出身。力強い左四つを武器に、142年続く同県出身幕内力士の系譜に貢献した。「記録を次につなげられたのは誇り」と胸を張った。同部屋の尊富士、錦富士を挙げ「安心して任せられる。でもその次が育っていない。青森の人に、その次になってもらいたい」と故郷を思った。
幕内在籍時の重圧を「(他の青森出身力士が)早く上がってきてくれ、と思ったのが本音だが、自分が守り続ける、という気持ちだった」と説明。秋場所は幕内尊富士が全休で十両転落が必至な中、西十両3枚目の錦富士が11勝を挙げ、来場所の返り入幕を確実とした。現役中に記録が途絶えることはなかった。
宝富士のしこ名は先代師匠の宮城野親方(元横綱旭富士)から「協会の宝になるように」と授かった。その点について「やりきったが、協会の宝までは…」と謙そん。現師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱照ノ富士)からは「私は胸を出してもらい強くなった。錦富士、翠富士、伯桜鵬、草野、尊富士たちもそう。部屋の宝です」と労われた。
宝富士は「16年半、応援ありがとうございました。親方としても頑張ります」と感謝。きっと努力を怠らない力士を育ててくれるはずだ。





