女子53キロ級・村山春菜 天国の恩師に捧ぐ世界一 小原日登美さん指導で不振脱却「一日一日の生活を大切にしたい」
「レスリング・世界選手権」(18日、ザグレブ)
女子は53キロ級で村山春菜(26)=自衛隊=がエクアドル選手を破り、頂点に立った。62キロ級はパリ五輪金メダルの元木咲良(育英大助手)が決勝で北朝鮮選手を5-4で下して初優勝。68キロ級の石井亜海(クリナップ)もブルガリア選手を破って優勝した。非五輪階級を含めて、村山は4度目、石井は2度目の世界一。女子は全10階級が終わり、日本勢は5階級制覇で、メダルは計6個だった。男子グレコローマンスタイルで77キロ級のパリ五輪王者の日下尚(マルハン北日本)が決勝に進んだ。
村山は天国の恩師に吉報を届け、思わず感極まった。不振脱却のきっかけを与えてくれたのは、7月に他界した所属先の指導者で五輪金メダリストの小原日登美さん。層が厚い五輪階級で7年ぶりの世界一となり「小原コーチに教えてもらい、そこからまたレスリングが面白い、楽しいと思えるようになった」と静かに感謝した。
パリ五輪2位のジェペスグスマンとの決勝。相手の強引な飛び込みに対応して巧みに背後を取った。隙のない試合運びは小原さんの助言のたまもの。「年齢が上がっても、幅を広げられる可能性を教えてくれた。この舞台で結果を残せたのは、2、3年前の自分からしたら考えられない」と成長を実感した。
パリ五輪を制した藤波朱理(日体大)が57キロ級に転向し、初の五輪を目指す村山が存在を大きくアピール。「一日一日の生活を大切にしたい」と歩みを進めていく。
