フォルティウス涙の五輪挑戦権獲得 ラストショット成功・吉村「4年間で積み上げてきたものが出せた」4年前の雪辱果たした

 日本代表の座を獲得し喜ぶフォルティウスの(左から)船山コーチ、小林、近江谷、小野寺、小谷、吉村、エディンコーチ(撮影・吉澤敬太) 
 最後のショットを決めジャンプして喜ぶフォルティウス・吉村
 女子日本代表のユニホームを来て笑顔を見せるフォルティウスメンバー
3枚

 「カーリング・ミラノ・コルティナ五輪最終予選代表決定戦」(14日、みどりスポーツパーク)

 今年の日本選手権を制したフォルティウスが3戦先勝方式の決勝を3勝2敗で制し、ミラノ・コルティナ五輪最終予選(12月・カナダ)代表に決まった。決勝第2、第3戦で、24年日本選手権覇者のSC軽井沢クを連倒。第3戦は5-5で迎えた第10エンドにフォルティウスの吉村紗也香(33)が最後のショットを決めた。ロコ・ソラーレを含めた三つどもえの大混戦で始まった代表決定戦を、開幕2連敗スタートという崖っぷちの状況から執念の大逆転。五輪への挑戦権を獲得した。

 4年前の悪夢をかき消すように、吉村があふれる喜びでブラシを揺らした。フォルティウスが代表決定戦を制し、五輪への挑戦権を獲得。2021年に同会場で行われた北京五輪代表決定戦は、ロコ・ソラーレに2連勝のち3連敗で五輪への道が消滅した。「あそこで諦めなくてよかった。4年間で積み上げてきたものが出せた大会だった」。メンバー全員で抱き合うと、涙がこぼれた。

 SC軽井沢クとの第3戦。第2エンドに1点を先取し、第5エンドは相手のミスで訪れた好機を見逃さず、大量3点を奪った。5-5で突入した第10エンドは吉村が、相手ストーンとの距離が「2、3センチ差」と明かすラストショットを成功させ、勝負を決めた。

 日本を代表するアスリートの信念が心を支えた。23年に野球WBCで侍ジャパンヘッドコーチを務めた白井一幸さんが、20年からメンタルコーチに就任。大谷翔平投手の言葉を教えられた。「逆境があるからこそ金メダルは価値がある。難しい場面だからこそ燃える」。今大会は開幕2連敗といきなり崖っぷちだったが、そこから2連勝し、一発勝負のタイブレークはロコ・ソラーレに雪辱。決勝はSC軽井沢クを連倒した。負けたら終わりの試合は驚異の5戦5勝。「絶対に勝てる自信があった」(吉村)。大谷の金言が鋼のメンタルを与えてくれた。

 「学生のころから五輪を目指し続けて何年がたっているんでしょうか」と自身5度目の五輪挑戦に笑う吉村。最終予選で2枠を争う。「目標の五輪金メダルに向かっていきたい」。現在、日本勢は7大会連続出場中。日の丸を背負って悲願の夢舞台につなぐ。

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