御嶽海は弔い星ならず 場所前に母・マルガリータさんが死去 悲しみの中で気丈に初日の土俵務めるも寄り切りで敗れる
「大相撲秋場所・初日」(14日、両国国技館)
平幕御嶽海が狼雅に寄り切りで敗れた。場所の直前に亡くした母に初日の弔い星こそならなかったが、悲しみをこらえ気丈に土俵を務めた。
館内の拍手に迎えられた御嶽海。立ち会いで頭から当たってもろ差しになりかけたが、相手に頭をつけられて後退し、最後は寄り切られた。
取組後はいつも通りに落ち着いた表情で「差すかはず押しか迷ってしまった。抵抗できたのはよかった。強い立ち会いができていない、もっと押していかないと上では勝てない」と反省を口にした。7月の名古屋場所では10勝。「それ(2桁勝利)が理想だけど、まずは勝ち越したい。きょうのような元気な相撲を見せたい」と目標を掲げた。
12日未明に母、大道マルガリータさんが55歳の若さで亡くなった。御嶽海は病気で体調が良くないという知らせを受け、長野に帰郷。師匠の出羽海親方(元幕内小城ノ花)は「お母さんもそれを望んでいると思う。頑張ることが供養になる」と話したように、御嶽海は悲しみの中で秋場所の出場を決定。ただ、今場所中は報道陣に母親に関する質問の自粛を要請していた。秋場所後にはお別れの会の開催を予定している。
マルガリータさんは明るい人柄で、観客席から御嶽海を熱心に応援する姿がファンに知られていた。御嶽海が18年名古屋場所で初優勝した際は、千秋楽の会場で「13日目と14日目はお腹が痛くなった。こんなこと、こんな気持ちは初めてでした」と喜びを口にしていた。




