大の里いざ綱とりへ「今の自分あるのは新潟のおかげ」母校・海洋高から思い詰まった化粧まわしで優勝額

 優勝額を贈呈される大の里
 優勝額贈呈式を終え、恩師の海洋高相撲部の田海哲也総監督(左)と写真に納まる大の里
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 「大相撲夏場所」(11日初日、両国国技館)

 両国国技館で10日、土俵祭りが営まれ、日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)や審判部の親方らが出席し、約500人の一般客が訪れた。優勝額贈呈式で初の綱とりに挑む大関大の里(24)=二所ノ関=が「2人の父」に見守られ、大願成就に誓いを新たにした。横綱豊昇龍(25)=立浪=は巻き返しを誓った。

 春場所で3度目の優勝を果たした大の里。これまでの優勝額では後援企業や故郷の石川・津幡町の後援会から贈られた化粧まわしを締めたが、今回の優勝額には母校の新潟・海洋高からの化粧まわし姿を選んだ。「6年間お世話になり、土台をつくってくれた。今の自分があるのは新潟のおかげだと思う。その思いを大事にした」と語った。

 地元の小学校を卒業後は能生中、海洋高と新潟で過ごした。母校の校章が描かれた化粧まわしに「公立高校なので地域の方からお金を募ったもの」と思い入れを口にした。

 贈呈式では海洋高相撲部の田海哲也総監督に見守られた。津幡町からは父の中村知幸さんも駆けつけた。知幸さんは「監督に恩返しできたのかな。“新潟の父”なので」と感慨深げに話した。

 今場所後に昇進すれば、年6場所制に移行した1958年以降、輪島の所要21場所を上回る同13場所、新入幕からは大鵬の所要11場所を上回る同9場所のスピード昇進新記録が達成される。

 ザンバラ髪、ちょんまげ、大銀杏(おおいちょう)と変わる優勝額にも、そのスピードが表れている大の里。「深く考えることなく、いつも通りやっていきたい」と自然体を貫くつもりだ。

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