体操・宮田笙子 21位で決勝進出「また世界で演技したい」五輪視野に
「体操・全日本個人総合選手権」(17日、高崎アリーナ)
世界選手権(10月・ジャカルタ)代表2次選考会を兼ねて女子予選が行われ、昨年2位でパリ五輪代表の17歳、岸里奈(戸田市SC)が4種目合計54・266点でトップとなった。昨年初優勝した宮田笙子(順大)は21位で、上位30人で争う19日の決勝に進んだ。25歳の杉原愛子(TRyAS)が54・199点で2位通過。大阪・相愛中2年の南埜佑芽が3位、ともにパリ五輪に出場した16歳の中村遥香(以上なんばク)は7位、岡村真(相好ク)は13位だった。
予選を終えた宮田は感情を抑えきれなかった。2度落下の段違い平行棒で10点台と苦しみながら、「切り替えできるのが自分の強さ」と最後の平均台は抜群の安定感で13・500点。「安心感と申し訳ない気持ち」が、涙となってあふれ出た。
初優勝でヒロインになった昨年と立場は違う。パリ五輪直前に発覚した飲酒、喫煙問題で代表を辞退。実戦復帰しても心と体は整わず「体操にうまく向き合えるか不安だった」と漏らす。トライアウトを経て出場の今大会は、実力者が集う最終班ではなく午前中から登場の第1班。順位を考えずに臨んだものの「演技してみると、やっぱりまた世界で演技したいなと思う。今すぐでなくても、もっと仕上がった状態で」と闘争心が戻ってきた。3年後の五輪も視野に入れながら、小さな、それでも着実な一歩を踏み出した。
