「おかえり女王」 涙のパリ五輪から復活V阿部詩をIJF公式も祝福 「パリの落胆は単なる偶然と証明」「この先何年も意欲を」
「柔道・グランドスラム・バクー大会」(14日、アゼルバイジャン)
女子52キロ級が行われ、21年東京五輪金メダルの阿部詩(24)=パーク24=が、2回戦敗退に終わった昨夏のパリ五輪以来7カ月ぶりとなる再起戦で復活優勝を果たした。初戦はセルビア選手に大外刈りで一本勝ちすると、準決勝は開始9秒での小外刈り、決勝はバルハウス(ドイツ)を横四方固めで破り、3試合オール一本勝ち。国際柔道連盟(IJF)は公式Xで「おかえりなさい、女王」と、過去4度世界選手権を制した詩の帰還を祝福した。
IJFは同日、公式ホームページで詩の復活Vを特集した。「世界チャンピオンに4度輝き、東京五輪の覇者にもなったが、昨夏のパリ大会での苦い敗戦を喫した。彼女が畳を降りるときに流した悲痛な涙は誰もが覚えている。大きな落胆から数カ月後、阿部詩は再び舞台の中央に立ち、これまで以上に闘志をみなぎらせ、パリ(の敗退)が彼女の素晴らしいキャリアにおいて単なる偶然であったことを証明する準備ができていた。それこそが偉大なチャンピオンの証だ」と紹介し、「阿部詩はグランドスラムで通算10回目となる頂点に返り咲き、(この結果は)この先何年も彼女にさらなる意欲を抱かせるには十分だ」と期待を込めた。
詩は2連覇を期した昨夏のパリ五輪2回戦で、金メダルに輝くケルディヨロワ(ウズベキスタン)の谷落としに沈み、一本負け。まさかの早期敗退に終わり、慟哭した。「(24年は)人生の中で一番悔しい1年」と振り返ったが、「ここ(畳)が自分の居場所」と現役続行を決断。7カ月ぶりの再起戦の前には「挑戦者として一からスタートしたい。(28年)ロス五輪では必ず金メダルを取りたい」と気持ちを新たにしていた。





