豊昇龍 さらなるてっぺん目指す「2倍3倍稽古して地位を守っていきたい」 全会一致で第74代横綱誕生確定
日本相撲協会の諮問機関、横綱審議委員会(横審)の定例会合が27日、東京・両国国技館で開かれ、初場所で2度目の優勝を飾った大関豊昇龍(25)=立浪=の横綱推薦を全会一致で決定した。第74代横綱の誕生が確定し、豊昇龍は都内の部屋で取材に応じた。29日に春場所(3月9日初日、エディオンアリーナ大阪)の番付編成会議と臨時理事会が開かれ、昇進の伝達式が実施される。
大逆転の悲願成就から一夜が明けた。疲労を隠せない豊昇龍だったが、横審の推薦決定を受け「もっと頑張らなきゃいけない」と気を引き締めた。夕方の決定まで「ワクワクしながら待っていました。気付いたら寝ていました」と、いたずらっぽく笑った。
第74代横綱へ。「入門した時からてっぺんを目指していた。これからもしっかり稽古して、てっぺんよりもっと上のてっぺんを目指したい」と決意を口にした。
叔父は優勝25回の横綱朝青龍。顔つきが似ていることもあり、常に比べられてきた。それでも「誰かのまねをするのではなくて、これが僕なんだ、というのを見せたい」とキッパリ。「生活面でも土俵の上でも、新しい自分を見せたい」。心技体の心の充実を誓った。
第74代の横綱については「74人しかいないんですね」とポツリ。254人目の大関だっただけに、その重みをかみしめた。「うれしいし、責任も感じます。人より2倍、3倍稽古して、この地位をしっかり守っていきたい」と語った。
初場所では9日目までに平幕相手に3敗。一時は昇進の機運がしぼみかけたが、驚異の粘りで千秋楽の本割を勝ち、王鵬と金峰山との優勝決定ともえ戦を制した。前日の千秋楽パーティーでは、モンゴルから来日した両親に祝福された。「親の喜ぶ顔を見てうれしかった。喜ぶ親の顔をもっと見たい」。感謝を力に変え、恩返しを期する。
29日の協会臨時理事会を経て、伝達式に臨む。口上、土俵入りの型は未定というが、朝青龍の横綱昇進から22年、照ノ富士から3年半ぶりの新横綱が誕生する。





