史上最速Vの大の里 「強くなるための部分には意欲的」「自分を見直す」同じ失敗繰り返さない 中学&高校時代恩師が明かす

 笑顔で銀杯を手にする大の里(撮影・棚橋慶太)
 中学時代の大の里(左から2人目)=父親の中村知幸さん提供
 生まれた頃から体が大きかった大の里(父親の中村知幸さん提供)
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 「大相撲夏場所・千秋楽」(26日、両国国技館)

 新小結大の里が阿炎を破って12勝3敗で初優勝を果たした。初土俵から所要7場所目の初V。今年春場所の尊富士の10場所を上回る史上最速で、幕下付け出しでも1972年夏場所の輪島の15場所目を上回る史上最速優勝となった。新潟での中学・高校時代は、トレーニングや食事で現在の基盤を作り上げた。中学時代から指導の海洋高・村山大洋監督が強さの根源を明かした。

  ◇  ◇

 幕内でもひときわ立派な体、そして性格もまっすぐで芯(しん)が強い。まさに力士の理想像と言える要素を持つ大の里。ただ、ちょんまげ頭の覇者を強くしたのは学習能力の高さではないか。中学時代から指導する海洋高の村山大洋監督(32)は「彼は好きなものへの興味関心や、自分が強くなるための部分には意欲的」と言う。

 ただ、同監督の第一印象は「良いものはあるが全てにおいて足りていなかった」という評価だった。中学時代は身長の高さは申し分ないものの、体重は物足りず運動能力も発展途上。一学年先輩の高橋(現十両白熊)の方が一枚上で、同級生にも大の里を上回る実力者がいて、2年まで主力ではなかったという。

 中学卒業前から村山監督のもとで、筋力系や瞬発系のトレーニングを増やし、プロテインを取り入れながら食事量も増やした。高校入学時からじっくり体を作って、卒業までの間に約30キロを増量。「中学の頃、腕立て伏せは5回くらいしかできなかった」のが、高校3年時には自ら筋トレにのめり込むようになった。

 一方で「活躍した後に精神的な部分が…というところがある」と同監督。タイトルを取った翌年に不振になることがあったが、日体大3年でアマチュア横綱となると、4年時にも連覇。「彼は自分を見直すことができるタイプ。弱さに気づき、相談したり、改善したりできる」。同じ失敗は繰り返さない。大物になる大事な素養を備えていた。

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