大の里 歴代最速Vへ王手!完勝3敗キープで単独首位に 九重親方も絶賛「あの大きい体を器用に使いこなせるのは天性」

 「大相撲夏場所・14日目」(25日、両国国技館)

 新小結大の里が初優勝に王手をかけた。平幕湘南乃海を押し出しで一蹴し、3敗をキープ。並んでいた大関琴桜が関脇阿炎に押し出されて4敗に後退したため、単独トップに立った。千秋楽で4敗の阿炎に勝てば、初土俵から所要7場所目の歴代最速優勝が決まる。大関豊昇龍、平幕大栄翔も4敗を守り、優勝の可能性は4敗までの5人に絞られた。

 もう止まらない。初の賜杯へ、大の里がズンズンと前に出た。湘南乃海をガッチリ受け止めて右を差すと、かいなを返しながら歩を進めた。最後は力強く押し出し。悠然と歓声を浴びた。

 優勝争いの最終盤でまさに完勝。支度部屋では目を閉じ「よかったですね」と言葉少なに振り返った。初優勝への意識は「ないものだと思っている。来場所につながる相撲を取りたい」と否定したが、テレビで豊昇龍が勝った場面が流れた瞬間、目を開けてチラリ。胸の内を少しのぞかせ、結び前に帰路に就いた。

 進化が止まらない。師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)は、初日に照ノ富士を倒した自信を「やっぱり土俵の経験は稽古場の1000番、1万番相撲を取るぐらいの価値がある」と表現。対戦経験が少ない巨漢タイプで「今までの経験が少しずつ試されている」と話していた湘南乃海戦でも、まな弟子は結果で成長を証明した。

 幕内後半戦の審判長を務めた九重親方(元大関千代大海)は「レベルが違う。あの大きい体を器用に使いこなせるのは天性」と絶賛。単独トップに立った大の里の有利を認めた。所要7場所目の初Vとなれば、幕下付け出しでは石川県出身の大先輩・輪島の15場所目を上回る1位のスピード記録だ。「何も考えていない。明日の一番を取りきることだけ」と大の里。想像を超える速度で突き進む大器が、歴史を塗り替える瞬間はもうすぐだ。

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