羽根田卓也 5大会連続の五輪切符 ハネタクやっぱり強かった「紙一重の差。本当にほっとしている」

 「カヌー・アジア選手権兼NHK杯全日本スラローム大会」(29日、東京都江戸川区 カヌー・スラロームセンター)

 パリ五輪予選を兼ねた大会の決勝が行われ、男子カナディアンシングルで2016年リオデジャネイロ五輪銅メダルの羽根田卓也(36)=ミキハウス=が優勝し、5大会連続となる五輪代表に決定した。優勝した国・地域には五輪出場枠が与えられ、日本カヌー連盟の規定により枠を獲得した選手が五輪代表に決まる。女子の日本勢は岡崎遥海(戸田建設)の4位が最高だった。

 今大会で優勝しなければパリ五輪出場は絶望という重圧下で、百戦錬磨のベテランが本領を発揮した。羽根田は準決勝を4位通過し、上位10選手による決勝で頂点に立った。36歳になったリオデジャネイロ五輪銅メダリストは「ずっと張り詰めた気持ちで毎日、過ごしてきた。紙一重の差。本当にほっとしている」と胸をなで下ろした。

 決勝は「スピードを最大限、出す努力をした。削れるところは削った」と言うように、タイムロスにつながる膨らみを抑えたコース取りで旗門を通過していった。終盤には旗門に接触しながらも粘り、鬼気迫る表情でゴールした。優勝が決まると、長年コンビを組むクバン・コーチと抱擁した。

 集大成と位置づけた2021年東京五輪は10位に終わった。その後約半年間、去就を熟考した末に「自分が頑張ることで競技をもっと知ってもらえる」と五輪を目指す決意を固めた。

 5大会連続となる五輪の舞台はパリ。この日の大一番での勝負強さに、その覚悟を示した形で「自分の経験を生かして、少しでも高いところを目指したい」と本番での目標を語った。

 ◆羽根田卓也(はねだ・たくや)1987年7月17日、愛知県豊田市出身。愛知・杜若高からスロバキアのコメニウス大大学院出。五輪は2008年北京から4大会連続で出場し、16年リオデジャネイロ大会の男子カナディアンシングルで、カヌーで日本勢初メダルとなる銅を獲得した。同年のW杯でも日本勢初の3位に入った。175センチ、70キロ。

 ◆最多五輪出場 日本勢の夏季最多は6度。馬術・杉谷泰造が1996年アトランタから16年リオデジャネイロまで6大会連続で出場し、飛び込みの寺内健は96年から08年北京までの4大会と、16年、21年東京大会に出場した。冬季五輪も含めると、ノルディックスキー・ジャンプの葛西紀明が18年平昌大会で8度目の出場を果たした。橋本聖子はスピードスケートと自転車で夏冬計7度出場している。

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