大相撲 日翔志が新十両 昨年3月急逝の父に「関取に上がったと報告しに行けたら」首の大ケガ乗り越えた

 新十両昇進が決まり、笑顔で握手する日翔志(左)と師匠の追手風親方
 新十両昇進を決め、ガッツポーズをする日翔志
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 日本相撲協会は27日、大相撲九州場所(11月12日初日、福岡国際センター)の番付編成会議を開き、日翔志(追手風)の新十両昇進、勇磨(阿武松)、英乃海(木瀬)の十両昇進を決めた。勇磨と英乃海は2場所ぶりの関取復帰となる。

 東京都立川市出身の日翔志は、日大から社会人生活を経て、21年夏場所で初土俵を踏んだ。西幕下3枚目で迎えた秋場所は6勝1敗。7人による優勝決定戦を制した。初土俵から2年半で関取となり「思った以上に時間がかかった。よかったです」と静かに喜びをかみしめた。

 21年秋場所後の稽古中に首を大ケガ。翌九州場所から3場所連続で全休した。約2カ月は部屋でほぼ寝たきりの生活。師匠の追手風親方(元幕内大翔山)ら周囲のサポートを受け「普通に歩くこともできなかった。相撲どころじゃないと思った」という状況から、懸命に治療とリハビリを重ねて土俵に復帰した。

 負傷後は、現役続行への迷いは「ずっとありました」という。追手風親方は「まず相撲をやるかやめるか。やるなら覚悟を持ってやらないとダメだと、何回か言った」と振り返った。序ノ口から復帰して4場所目の昨年九州場所で三段目優勝。日翔志は「幕下に(今年初場所で)上がってから『やるしかない』という気持ちでやっていた」と腹を決めた時期を振り返り「『お前なら絶対十両に上がれる』と言われ続けてきた。信じてやってきてよかった」と、自身を鼓舞してくれた師匠に感謝した。

 休場期間中だった昨年3月には、父・文男(のりお)さんが57歳で急逝。当初はプロ入りに反対していたが、最終的には背中を押し、負傷後も応援してくれていたという。近日中に墓参する予定の日翔志は「関取に上がったと報告しに行けたら」と、天国の父に思いをはせた。

 師匠からは「負けっぷり、勝ちっぷりがいい。意外に勝負師。自分らの時代の力士っぽい。それが他の力士と違ういいところ」と評された日翔志。大ケガを乗り越えて関取となった26歳は「土俵際で最後まで諦めないことを意識している。立ち合いで負けずにしっかり当たって、きっぷのいい相撲をとっていきたい」と意気込んだ。

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