貴景勝 幕内500回目出場、かど番脱出へ上々3連勝 2年半ぶりVS朝乃山で貫禄はたき込み
「大相撲秋場所・4日目」(13日、両国国技館)
大関貴景勝が幕内500回目の出場を白星で飾った。2021年春場所以来、2年半ぶりの朝乃山との対決をはたき込みで下し、かど番脱出へ上々の3連勝とした。他の大関勢では、豊昇龍が正代にすくい投げで敗れ3連敗、霧島は阿炎の引き落としに屈して2連敗となった。3関脇はそろって白星を挙げた。勝ちっ放しは平幕の阿武咲、金峰山、熱海富士の3人。
幕内500回目の節目の土俵で貴景勝が大関の貫禄を見せつけた。ともに大関だった2021年春場所以来、2年半ぶりの朝乃山との対決を制した。2日目からの連勝を3に伸ばし「集中して、いつも通りですね」と大きく息を吐いた。
先場所全休の原因となった両膝の不安を吹き飛ばすように、立ち合いから鋭く出た。強い圧力でまずは相手をのけ反らせると、激しい突き押しでさらに攻勢を強めた。右に回り込みながら頭を下げた朝乃山の一瞬の隙を見逃さず、はたき込んで土俵に沈めた。
初日こそ黒星だったが「やりにくさは別に感じなかった」と心配された相撲勘も問題ない。八角理事長(元横綱北勝海)も「相手に力が伝わっている。朝乃山は一発で崩れそうになった。まともに来る相手には強いな」と強烈な圧力に感心する。
ただ、「自分の思っていない潜在的なところもある。白星黒星だけで判断したら駄目」と浮ついた表情は一切見せない。大関在位25場所で7度目のかど番。勝ちに一喜一憂せず、必ず反省を忘れないことが、長く看板力士の座を張り続けられる要因なのだろう。
横綱不在の場所で、番付の責任をしっかりと自覚する。「自分の相撲に集中して力を出し切っていけば、その次に責任につながっていく。やれることをやっていくだけ」と淡々と語る表情には、大関の務めを果たす覚悟が見てとれた。かど番脱出、そして復活Vへ。強い気持ちで戦う貴景勝が秋の両国を盛り上げていく。





