“闘う医学生”朝比奈沙羅 3回戦敗退で涙 五輪挑戦も厳しく…進退熟考も「中途半端に目指すつもりない」

 全日本選手権3回戦で反則負けし、うつむきながら引き上げる朝比奈沙羅
 全日本選手権3回戦で反則負けし、うつむきながら引き上げる朝比奈沙羅
 全日本選手権3回戦で朝比奈沙羅(左)を破った宇野友紀子
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 「柔道・全日本女子選手権」(23日、横浜武道館)

 体重無差別で争われた。17年大会覇者で78キロ超級元世界女王の朝比奈沙羅(26)=ビッグツリー=は、3回戦で70キロ級の宇野友紀子(JR東日本)に延長戦の末、反則負け。日本一返り咲きへ強い意欲を示していただけに「正直、何も考えられない。勝たないと努力を認めてもらえないので、シンプルに結果が出なかったのが悔しい。ちょっと放心状態」と無念の涙を浮かべ、「今後どうすべきかは自分の心と向き合いたい」と進退を考える姿勢を示した。

 初戦の2回戦は一本勝ちしたものの、3回戦は軽い相手のスピードに対応しきれず、後半は技を出すことができずに3つ目の指導を宣告された。「自分の柔道をさせてもらえなかった。しっかり持てば投げる自信はあったが、技出しが遅かった」と唇をかんだ。

 朝比奈は20年4月から獨協医大(栃木)の医学部に通いながら、柔道でも24年パリ五輪出場を目指す“戦う医学生”。平日は授業を受けながら限られた時間で稽古を積んでいるが、昨年10月の講道館杯では初戦で両者反則負けとなり、今月2日の全日本選抜体重別選手権でも初戦敗退。五輪代表争いで「土俵際」と厳しい立場を自認しつつ、最後までチャレンジする意向を示していた。

 今大会は代表争いに直接影響しないものの、復活をアピールできず「今の結果では(代表に)選ばれるにふさわしい人間かはクエスチョンマークなところあるが、あくまでパリ五輪を目指してやるべきことをやるだけ」。ただ、最速で6月にもパリ五輪代表が決まる可能性もあるだけに、将来医師を目指す26歳は「(競技と学業を)中途半端に目指すつもりはない。(パリを目指す)気持ちの変化が出たりした場合は、柔道を辞めるのか学校をお休みするのかはわからないが、今決める話ではないので」と熟考する姿勢を示した。

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