「フィギュアスケート・世界選手権」（２５日、さいたまスーパーアリーナ）

　アイスダンスのフリーダンス（ＦＤ）が行われ、２２年四大陸選手権銀メダルでリズムダンス（ＲＤ）１１位の村元哉中（３０）、高橋大輔（３７）＝関大ＫＦＳＣ＝組はフリー１１５・９５点、合計１８８・８７点だった。フリーは自己ベスト、合計でもシーズンベストの快演で１１位だった。

　村元が白、高橋は黒を基調にした衣装で登場。１つ１つ丁寧に要素をこなし、情感たっぷりに「オペラ座の怪人」を熱演した。場内は拍手喝采で、フィニッシュポーズを決めると、互いに感無量。高橋は顔を押さえて涙ぐみ、歩み寄った村元と抱き合って喜びを分かち合った。高橋はガッツポーズしながらリンクサイドへと向かい、スタンディングオベーションの温かい声援に包まれた。

　高橋は今大会がシングル時代と合わせて１０度目の世界選手権。高橋が世界選手権で初めてメダルを取った０６－０７年シーズンのフリーも「オペラ座の怪人」を演じていた。

　演技後は「素直にうれしい、えへへ」と照れくさそうに笑った高橋。「最後までオペラ座の世界観に入っていた。自国開催のプレッシャーは大きかったが、満足いく演技ができてうれしい」と振り返り、村元は「２人の世界観に入れて１つ１つのエレメンツをこなせた。最後に顔を合わせて（最後のリフト前に）いけるぞという感じだった」と話した。

　また「今日の演技は１年続けることの意味にしてくれた。この１年、成長も経験もたくさんあった。昨季で辞めていたら悔いが残った。続けてよかった」と高橋。今後については「考えてません！今日は余韻に浸ります！」と笑顔で話した。今大会では日本勢初の１０位以内を目標に掲げている。