東京五輪組織委の利益相反管理体制に疑義「適正に機能したか疑問」検討チームが指摘、札幌招致へ改善案

 東京五輪パラリンピック組織委員会における不祥事を受けてスポーツ庁や日本オリンピック委員会(JOC)が設置した、今後の大規模スポーツ大会運営の在り方を検討するプロジェクトチーム(PT)が10日、適正な大会運営体制をつくるための指針案をまとめた。東京大会組織委元理事らが汚職で逮捕された反省を踏まえ、調査を経て「利益相反管理の観点で疑問の余地がある」などと問題点を指摘。招致を目指す2030年札幌冬季五輪など今後の大会運営を見据えて、利益相反取引を監視する独立した委員会や、役員選定のための独立機関の設置など改善を求めた。

 東京大会組織委をめぐっては、元理事の受託収賄事件や、テスト大会に関する受注調整疑惑が発生している。同検討チームは昨年11月から今年2月にかけて、関係資料の調査や組織委元職員10人の聴取などを実施。各種規定や、それに則った運用はなされたと評価する一方で、運営体制の実情としては「理事会が適正に機能していたかは疑問の余地がある」などと疑義を呈した。

 また、役員向けのコンプライアンス研修が行われていなかったことや、組織委の職員は行政や民間企業などからの出向者が多く、出向元と密接な関連性を持つ部署の長に就くケースがあったといい、「利益相反管理の観点から適切な人材配置がなされていなかった」と問題点を指摘。「大会の成功のために役職員によって費やされた労力が、本件(不祥事)によって全く無駄であったかのように捉えられることがあるとすれば、極めて残念であると言わざるを得ない」と断じた。

 検討チームはこれらの課題や反省点を踏まえ、今後の大規模大会の組織委員会が遵守すべき規範として11の原則を規定。理事会とは別の諮問機関を設けるなど、チェック体制強化を求める指針案となった。

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