朝乃山が十両初V「心の底から応援してもらえる力士に」恩師の命日、13勝目で再入幕も前進

 千代の国を寄り倒しで破った朝乃山は土俵を降りて天を仰ぐ(撮影・開出牧)
 千代の国(右)を寄り倒しで破り、13勝目をあげた朝乃山(撮影・伊藤笙子)
 千代の国(左)を寄り倒しで破った朝乃山(撮影・開出牧)
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 「大相撲初場所・14日目」(21日、両国国技館)

 元大関で十両復帰した朝乃山(高砂)が、千代の国(九重)を寄り倒して13勝目(1敗)を挙げた。1差で追っていた金峰山(木瀬)が敗れ、3敗に後退し、千秋楽を待たず、朝乃山の十両初優勝が決まった。

 1月21日は2017年に死去した富山商時代の恩師、浦山英樹監督の命日。関取として戻った場所で天国に優勝を届けた。師の教え通り「前に出る」相撲が光った。

 千代の国に左から突き落とされ、体が泳いだが踏みとどまった。すかさず逆襲し、右を差すと圧力をかけ、体ごと一気に決めた。「踏み込んでいる分、耐えられた。土俵際で右が入り、あそこまでいったからにはここで決める気持ちで寄り倒した。前に出るから右が差せたり、はたきに耐えられた。(物言いの付いた)昨日の相撲に納得していない。昨日の分をきょうにぶつけた」と振り返った。

 朝乃山は2017年春場所の新十両昇進を機に本名「石橋広暉(ひろき)」から浦山監督の名前をもらい、「朝乃山英樹」と改名した。相撲を一から教わった恩師から「横綱になれ」と希望を託され、番付を駆け上がり、大関に昇進した。

 しかし、2021年夏場所、新型コロナウイルス感染対策ガイドラインに違反。6場所出場停止処分を受けた。出場停止期間中の昨年8月には、息子の再起を待ち望んだ父の石橋靖さんが死去した。

 昨年7月場所で三段目で復帰した際は、しこ名の下の名前を本名の「広暉」へ戻した。「不祥事を起こし(先生の名前は)もう名乗れない。母と相談して父が付けてくれた広暉にしました」と、一から出直す覚悟で土俵に帰ってきた。

 関取として特別な日に白星をつかんだ。「恩師の命日には弱い部分がある。1つでも恩返しできたらと思って土俵に上がって、白星を取れて良かった」と、安ど。故郷の富山の応援も力になっており「また一から応援してもらってありがたい。心の底から応援してもらえる力士になりたい」と気を引き締めた。

 再十両場所を1場所通過し再入幕のためにも千秋楽を勝って14勝で締めたい。「考えると自分は固くなる。目の前の一番に集中する」と語った。

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