渡部葉月 平均台で18歳・最年少「金」 番狂わせに「実感が湧かない」

 「体操・世界選手権」(6日、リバプール)

 種目別決勝後半が行われ、平均台は18歳の渡部葉月(中京ク)が13・600点で制し、全種目を通じて日本女子4人目の金メダルに最年少で輝いた。同種目では昨年の芦川うらら(日体大)に続く世界一。宮田笙子(鯖江スクール)は銅メダルを獲得し、床運動は8位。男子の鉄棒は東京五輪王者の橋本大輝(順大)が14・700点で2大会連続の2位となり、今大会四つ目のメダルとなった。

 番狂わせを起こした。大会2週間前に補欠から繰り上がった渡部が平均台で強心臓ぶりを発揮。2位とわずか0・034点差で日本女子に最年少「金」をもたらし「実感が湧かない」とはにかむように笑った。

 「世界の選手にも負けない」と自負する跳躍力を存分に見せた。E難度の大技「前方屈身宙返り」で台に乗るとジャンプや宙返りを次々に決める。メダル候補にミスが出る中、ふらつきを最小限に抑え、出来栄えを示すEスコア(実施点)はトップをマークした。

 全日本選手権を制した笠原(レジックスポーツ)の故障で急きょ出場。夏場に負った左足首の故障に加えて「穴を埋められるのか」という不安で練習ではミスを連発。仲間から「秘密兵器だから」と励まされ、たどり着いた初舞台だった。

 大一番で思い浮かべたのは、同じ愛知県出身の寺本明日香さんの姿だった。感銘を受けたのは「どんなに調子が悪くても結果を残そうとする」責任感。憧れの先輩が成し遂げられなかった大輪の花を、シンデレラガールが咲かせた。

 ◆渡部葉月(わたなべ・はづき)2004年8月7日生まれ。名古屋市出身。姉の影響で、2歳で体操を始めた。14歳だった19年NHK杯で6位と健闘。21年全日本ジュニア選手権で個人総合優勝。今年の全日本選手権、NHK杯はいずれも4位。愛知・東海学園高3年、中京ク。159センチ。

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