17歳・笠原有彩「びっくり」初優勝 体操女子にニューヒロイン 9年ぶり高校生女王

 「体操・全日本個人総合選手権」(23日、東京体育館)

 女子決勝が行われ、予選3位で3月の全国高校選抜大会覇者の笠原有彩(17)=レジックスポーツ=が106・230点で初優勝した。高校生の女王は2013年の笹田夏実(帝京高)以来9年ぶり。宮田笙子(17)=鯖江スクール=が105・497点で2位となり、同1位の山田千遥(19)=朝日生命ク=は105・330点が3位。今大会は代表5人の世界選手権(10~11月、英リバプール)などの選考会を兼ね、女子は全日本の得点が持ち点となる5月のNHK杯で上位3人が選ばれ、6月の全日本種目別選手権の結果も踏まえて残り2人を決定する。

 体操女子に、次世代を担うニューヒロインが誕生した。予選3位からの逆襲を狙った笠原は、大きなミスなく演技をまとめて初優勝。「まさか優勝できると思っていなかった。すごくびっくりした気持ち」。ライバルたちに抱きしめられ、喜びの涙があふれた。

 有力選手が次々とミスする中、落ち着いて演技を通した。支えになったのは、苦手だった緊張感を克服したこと。昨年の全国高校総体と全日本ジュニアの団体優勝を経験したことで、後輩たちを「演技で引っ張っていく」と心持ちが変わったという。これには、指導する岡崎美穂コーチも「試合前に泣いたりする子だけど、一皮むけた」と目を細める。

 今大会では、所属するレジックスポーツと名経大市邨高の先輩にあたる寺本明日香が現役を引退。「本番一発でバチッと決める力が強い」と憧れる先輩からは、決勝前に「楽しんでね」と声をかけられた。「何より自分の演技を楽しんだ」と充実感にもあふれた。

 寺本など多くのトップ選手が引退した日本女子。新女王は目標を「世界選手権や五輪代表に入って、世界で戦える選手になること」と定めた。パリ世代の17歳が、新時代を築きにいく。

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