サーフィン・上山キアヌ久里朱 ハワイで生まれ、徳島に魅了の21歳に期待

 東京五輪新競技として脚光を浴びたサーフィン。2024年のパリ五輪に向けて注目したい選手が、21歳の上山キアヌ久里朱だ。18年に世界ジュニア選手権の18歳以下の部を制した実力者で、3月には世界最高峰のプロサーフィンツアー「チャンピオンシップツアー(CT)」への出場権を懸けて争う「チャレンジャーシリーズ(CS)」の出場権を獲得。5月から始まるCSを前に、東京五輪会場の千葉県一宮町釣ケ崎海岸で練習する上山に会いに行った。

 上山はハワイ生まれの大阪育ち。サーフィンは4歳の時、父が連れて行ってくれた和歌山の磯ノ浦で始めた。スパルタの父にコーチを受けながらも「ずっとサーフィンが好きでした」。サーフィンの魅力にとりつかれ、とにかく熱中した。

 転機となったのが中学2年の時。大会で訪れた徳島の環境に魅了されると、両親を熱心に説得。その結果、母と一緒に移り住むことになったという。「『徳島に行く!』と常に言っていたかも」。週末にしかできなかったサーフィンが、平日、学校の前後にもできるようになった。同世代のライバルも多かったが、それも「いい刺激になった」ようで、めきめきと実力を伸ばしていった。

 環境の後押しもあり、2018年に世界ジュニア選手権で優勝。順調なキャリアを歩んでいたが、けがもあり、近年は思うような結果を残せていなかった。「世界ジュニアの優勝はうれしかったけど、結構昔。新しい戦歴を持って自信をつけたい」。勝利への意欲を募らせていた。

 そんな中、今年3月にビッグチャンスをつかんだ。CSの出場権を獲得したのだ。5月から始まる世界への挑戦に向け、「ここで日本人で一番成績を出したいし、(他の選手から)吸収したい」と目を輝かせた。

 2年後にはパリ五輪も控えている。五輪会場のタヒチはビッグウエーブで有名だが、上山は「(代表に)選ばれたら覚悟決めます」と笑った。名前の「キアヌ」はハワイ語で「山頂に吹く風」という意味。風のごとくかろやかに波にのり、夢舞台への切符をつかみにいく。(デイリースポーツ・田中亜実)

 ◆上山キアヌ久里朱(かみやま・きあぬ・くりす)2001年1月6日、米・ハワイ生まれ。大阪府で育ち、中学2年で徳島県に移り住んだ。18年世界ジュニア選手権18歳以下の部で優勝。今年3月から千葉県一宮町が拠点。趣味は音楽を聴くこと、釣り。名前の「キアヌ」はハワイ語で「山頂に吹く風」という意味。

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