「競泳・北島康介杯」（２２日、東京辰巳国際水泳場）

　女子１００メートル自由形で、東京五輪代表の池江璃花子（２１）＝ルネサンス＝が５４秒６４で優勝した。復帰後一番速いという０秒６４のリアクションタイムに、完全復活の兆しが見えた。男子２００メートル背泳ぎでは、東京五輪代表の入江陵介（イトマン東進）が１分５６秒３６で１位となった。

　終始横一線のレースだった。池江は前半を折り返した時点で１位と０秒２１差の５位。「長所を生かした泳ぎができなかった」と振り返るも、五十嵐千尋（Ｔ＆Ｇ）、大本里佳（ＡＮＡ）ら五輪選手がそろうレースを見事制した。「長水路で優勝できてよかった」と反省の中で喜びをかみしめた。

　手応えを感じたのはスタート時のリアクションタイムだ。「みんなより、今まで０秒２遅れていた」というタイムは今回、復帰後最速の０秒６４。「練習から速い反応を意識して、積み重ねるうちに自然とできた」と課題克服を喜んだ。２２年は距離の短い５０メートルバタフライで勝負をかけるだけに、泳ぎ以外の部分でのタイム上昇は飛躍につながるはずだ。

　３月の国際大会代表選考会へ向け「勝負も記録も両方狙って準備したい。５３秒台中盤をだして自信を付けたい」と意気込んだ。２３日は女子１００メートルバタフライに出場。「変な緊張を持たずに楽しめたら」。一歩ずつ復活へと向かっていく。