王鵬、祖父・大鵬に「ダメだなと思われないように」初場所で親子3代幕内も
大相撲の“昭和の大横綱”大鵬(故人)の孫・十両王鵬(21)=大嶽=が11日、都内の部屋で30番取って調整した。先場所は東十両7枚目で11勝の好成績を挙げ、来年初場所(1月9日初日、両国国技館)で新入幕の可能性がある。
弟の夢道鵬、兄の納谷(ともに幕下)ら相手に全勝。前半はハズ押しで圧倒し、後半は四つ相撲に組む形も見せた。「絶好調ではないが7割くらいはキープできているかな」と、振り返った。
理想はすべて突き押しで一気に持っていく相撲。課題は体力面だ。「結構、スタミナが落ちてきて引く相撲が多くなっちゃったんですけど。場所でも引く相撲が中盤から後半にかけて目立ってくるので、スタミナと集中力のなさがずっと課題なので」と語った。
先場所は初日から自己新の9連勝と乗った。だが10日目に初黒星を喫し、そこから4連敗。最後2連勝と持ち直したが終盤の失速が痛かった。
「集中力も切れていましたし、前半から中盤にかけての立ち合いと全然違いましたし、スタミナ、集中力ですかね。まあ勝っているという余裕もあったかもしれないですね。前半からするともうちょっと勝てたかなと言われるし、2桁勝利をとりあえず目指していたので、最低限以上はできたかなと。まあ良かったのかなと思います」と、うなずいた。
父は元関脇貴闘力。親子3代幕内へ期待もかかる。初場所中の1月19日には祖父の命日も迎える。「記録に追い付きたいとかそんなことは思ったことはないですし、人並みくらいには意識はあると思うが、俺がとか、自分がというのは、みんなが思っているほどないと思いますね。母親にも丈夫な大きな体に産んでもらっていますし、才能がないとは絶対に言えないので、こんなに体が大きかったら。意識とか祖父のためにとかはないですけど、顔向けできる、もし会った時に、もう亡くなっていますけど、恥ずかしくない人間になりたいと思いますね」と、偉大な祖父への気持ちを表した。
祖父のお墓参りは新十両の今年初場所前で昇進を報告した。新十両の際は「期待を超えられるように」と意欲を見せ、1年間、戦い抜いた。
「(祖父は)応援はしてくれてると思うので、怒られることはあるかもしれないですけど、ダメだなとか思われないように。結構、客観的というか、あんまりプレッシャー感じないほうなので」と重荷にはなっていない。
左四つの形を持ち、万能型だった祖父とはタイプが違う。「(映像を)見たりはするんですけど、すごいなとか、腰ずっと降りているなとか、それだけで。参考にしようとして、自分の相撲が崩れても、やっぱり違うものなので。参考というか見たりはするけど」と言う。
祖父には「自分に嘘を付かず、自分で決めたことをしっかりやって、頑張っていきます」と誓う。来年は幕内で戦うことが目標。「とりあえずしっかり番付を上げます。(来年中に三役を)狙えるところにいれたらいいですね」と、意気込んだ。