ヴィクトワール広島・阿曽がプロ初優勝 今季集大成のレース「すごく達成感ある」

 自転車ロードレースのプロチーム、ヴィクトワール広島の阿曽圭佑選手(29)が11月6日に栃木県で行われた今季第9戦「大田原ロードレース」(1周7・74キロ×15周)でプロ初優勝を飾った。今季から新リーグ・ジャパンサイクルリーグ(JCL)に参戦していたチームにとっても待望の初優勝となった。

 レースには9チーム52選手がエントリー。広島からは6選手が出場し、チーム全員でエース阿曽の走りをアシストした。最後は7選手によるゴール前の争いから阿曽が一気に抜け出し、ゴールを駆け抜けた。東京五輪の代表選手も撃破する会心の優勝となった。

 今季から広島に加入した阿曽はチーム最年長。この1年間、自身のレベルアップを図りながら、練習メニューを作成したり、若手のコーチ役も務めるなどチーム全体の底上げにも尽力してきた。「1年間の集大成として臨んだレースだった。若い選手たちが頑張って助けてくれたし、僕自身も勝てたことで、みんなの頑張りに応えることができた。すごく達成感があります」と感慨に浸った。

 三重県出身の阿曽は暁高1年時に自転車競技を始め、中京大卒業後プロ転向。これまで国内外のチームを渡り歩いてきた。昨季はフランスのチームに所属していたが、コロナ禍で試合ができず、広島のクラブチームに在籍。プロ7年目の今季、ヴィクトワール広島に移籍した。初優勝に加えて、リーグ戦でも個人総合ランキング3位となり、飛躍の1年に。「今まで応援してくれたり、支えてくれた人たちに少しは恩返しできたかなと思います」と笑顔を見せた。

 熱烈なオファーを出して阿曽を獲得した中山卓士監督(32)も「元々力のある選手なので、いつかは勝てると思っていたが、最後に勝てて本当に良かった。チームにとっても弾みをつける優勝です」と賛辞を贈った。チームランキング4位で今季を終えた広島は、来季からは海外レースにも本格参戦し、新たな挑戦へ踏み出す。野球、サッカーなどプロスポーツが盛んな広島の地でチームが発足して7年。「日本一愛されて、日本一強いチームになる」という目標へ着実に前進している。

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