東京五輪柔道女子５２キロ級金メダリストの阿部詩（２１）＝日体大＝が１１日、神戸市役所で開催された「神戸栄誉賞」贈呈式に出席。久元喜造市長（６７）から表彰状を授与され、将来的に地元神戸に貢献できるような道場を作る夢などを語った。

　五輪後初めて神戸に帰省している阿部はこの日は市役所での贈呈式に出席。神戸栄誉賞とは、五輪やパラリンピックで３位以上の成績を残した神戸市在住・在勤などの選手を表彰する制度で、ロサンゼルス五輪の１９８４年に創設された。阿部が２２人目の受賞となる。兄の一二三はスケジュールが合わなかったため、後日２３人目として贈呈される予定。

　久元市長から「神戸市民の声援を背にこれからも頑張ってください」と激励されると、「五輪は無観客で少し寂しかったですが、画面越しの皆さんの応援が力になり金メダルを取ることができました。パリ五輪２連覇に向けて頑張ってまいります」と誓った。

　久元市長は高校時代の一二三と対面した際に「すごく凛としているというか、ただ者ではない雰囲気を感じた」という。その印象が残っているため「普段はどんな選手ですか」と妹に尋ねた。

　これに対し詩は「普段からただ者ではない雰囲気をいつも出している気がします。すごく度胸があるというか、どの場面でも勇気を振り絞って技を出せる気持ちが強い兄だと思うので。本当に尊敬しています」と答えた。

　短期間の帰省では地元兵庫区のなじみのお好み焼き店、焼き肉店などを訪問。「いろんな方がおめでとうと言ってくれて金メダルをすごく喜んでくれることが一番うれしい」と改めて地元の応援を実感した。