昭和以降9位の高齢再入幕 37歳松鳳山 テーマは「若い時のイケイケ相撲」
大相撲九州場所(14日初日、福岡国際センター)の番付が1日、発表され、松鳳山(37)=二所ノ関=が昨年秋場所以来7場所ぶりに幕内に返り咲いた。この日、千葉県船橋市の部屋からオンライン会見した。
福岡県出身築上町出身で幕内として故郷に戻る。「地元九州場所なのでいい相撲を取って皆さんの声援に応えられたらいいと思う」と意気込んだ。
37歳8カ月23日での再入幕は昭和以降9位の高齢となる。「年齢のことは関係なく、幕内にずっといられる方がすごいこと。(現役の)残りはずっと幕内にいたい。幕内に戻るというよりも上がるという気持ちでやってきた。戻るというのは元の位置に戻るみたいで成長できていない。お相撲さんでいる限り、上を目指す。上を目指せなくなったら終わり」と常に成長を追い求める気持ちだった。
先場所は東十両4枚目で10勝。3勝4敗で迎えた中日から5連勝と底力を発揮した。きっかけは5日目、阿炎(錣山)戦。押し出しで負けたが、「若い時のイケイケだった相撲を阿炎が思い出させてくれた」と、動きを取り戻した。
部屋では弟弟子、28歳の十両一山本、25歳の幕下島津海と「元気では負けない」と心に決め稽古してきた。「若手より若い相撲を取る。自分が一番若いと思って稽古している」と力を込めた。
師匠の二所ノ関親方(元大関若嶋津)が来年1月12日に65歳定年を迎える。師匠は鹿児島出身。九州が師匠にとって最後の場所になる。「育ててもらった。恩返しができれば」と特別な思いもある。
師匠から入門以来、同じことだけを言われ続けてきた。「まわしを取っても何をしても早く前に出ろ」、「引くな」。その言葉が常に頭にある。
師匠は大病を乗り越え、リハビリを続ける姿も見てきた。「同じことをやり続けてあきらめない。継続は力なり、とすごさを感じる。努力の大切さを教わった」。元気いっぱいの幕内最年長は九州で恩返しをする。