小平奈緒が7連覇 高木美と0・07秒“鼻差”制し五輪へ好発進「ベクトル上向き」

 女子500メートルで優勝し拍手する小平奈緒(右)と、天を仰ぐ高木美帆(撮影・國島紗希)
 女子500メートルで優勝し、金メダルを手にする小平奈緒
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 「スピードスケート・全日本距離別選手権」(22日、エムウェーブ)

 W杯代表選考会を兼ねて、22年北京五輪シーズン初戦が開幕した。女子500メートルは18年平昌五輪金メダリストの小平奈緒(35)=相沢病院=が37秒58で7連覇を達成。同走した高木美帆(27)=日体大職=との直接対決を0秒07差で制した。

 ゴール前の直線、エース2人のデッドヒートに会場が沸いた。最後は小平が“鼻差”で先着。0秒07差の勝利を電光掲示板で確認すると、小さく拍手し喜びをかみしめた。

 「平昌五輪シーズンと比べると、まだ0・5秒くらい足りない。ただ、シーズンのスタートとしては去年より確実にいい記録で、ベクトルは上向き」と小平。昨年大会より0秒15縮め、連覇を7まで伸ばしたが、それ以上に「どんどんタイムを上げていけそうな感触があった」と得たものは多かった。

 特に高木美との同走は「いい雰囲気をもらえていた」という。隣への過度な意識はせず、自分のレースに集中したが「いるから、自分の能力を引き出してもらった部分はあると思う」。世界トップレベルの2人にしか出せない緊張感の中で、研ぎ澄まされ、高め合ったレースだった。

 昨季は左股関節の違和感に苦しみ、シーズン途中で“リセット”を図った。歯車が狂った状態で綱渡りのように戦い続けてきたことで、悪いイメージが「重なっていた」と小平。「そういう記憶を実戦で一つ一つ塗り替える作業が、多分これから行われると思う」。焦らず着実に改善することこそ、金メダルへの最短ルートだ。

 敵無しだった平昌五輪イヤーのタイムも「自分のベースまで戻せれば、それくらい出せる」と言う。次々に口をつく「完全には戻っていない」「まだ自分に頼り切れていない」との言葉は、伸びしろを確信しているからこそ。35歳が進化を続ける。

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