貴景勝 大関陥落危機 首のケガ影響か3連敗「負けたら弱いだけ」
「大相撲秋場所・3日目」(14日、両国国技館)
かど番の大関貴景勝が初日から3連敗を喫し、2度目の大関陥落危機となった。先場所、巨漢の小結逸ノ城と対戦で首を負傷して休場。その相手との再戦で押し込めず、最後は上手投げで転がされた。首の不安からか、本来の当たりには程遠い。勝ち越しは厳しく、途中休場の可能性もある。新横綱照ノ富士は隆の勝を寄り切って無傷3連勝。大関正代は北勝富士を退け連勝で白星を先行させた。
貴景勝はぶん投げられ、横転して落下した。土俵下で四つんばいになり、苦しい表情で首をかしげた。馬力自慢の大関が3日間、すべて当たり負け。ショックは隠せなかった。
「(圧力で)負けているということ。一生懸命やって負けたら弱いだけ。勝てるように日々、やっているけどなかなか簡単にはいかない」と、もどかしい思いを口にした。
初日から3連敗は今年初場所の同4連敗以来、大関で2回目。先場所から続く連敗は4に伸びた(不戦敗を除く)。4回目のカド番で2回目の大関陥落は現実味を帯びてきた。
先場所、体重200キロ超の逸ノ城戦で敗れ、首に強烈な痛みが走った。立ち上がれず車いすで退場するほどだった。この日、再戦でも精彩を欠いた。
2日目までとは立ち合いが違った。恐怖がよぎったのか、頭で当たらず、もろ手で突いた。押し込めず力なく後退。土俵際、残して逆襲したが、最後はつかまれ巨漢に屈した。
場所前には「首のけがなんて別に今に始まったことじゃない」と強気だったが不安はぬぐえない。悪化させれば力士生命に関わる首の負傷。八角理事長(元横綱北勝海)は「治っていないのか、けがした相手で怖かったのか…。持ち味はぶちかまししかないから、できないと苦しい」と、心情を思いやった。
本来の強烈なぶちかましが戻らなければ勝ち越しすら厳しく、途中休場も十分、可能性がある。今年夏場所、豪華4大関が3場所で激変。照ノ富士が横綱に昇進し、朝乃山はガイドライン違反で降下。来場所番付が1大関危機に陥った。