照ノ富士 連勝発進!“横綱相撲”で綱とり最低ノルマクリア「一生懸命やるだけ」

 「大相撲名古屋場所・2日目」(5日、ドルフィンズアリーナ)

 綱とりに挑む大関照ノ富士が成長株の新小結若隆景を寄り切って初日から2連勝とした。相手の猛攻をどっしりと受け切り、最後はねじ伏せる“横綱相撲”。平成以降、誕生した10人の横綱は昇進を決めた場所で全員が初日から2連勝しており、まずは最低ノルマをクリアした。6場所連続休場から進退を懸ける一人横綱白鵬は、遠藤を上手出し投げで一蹴し2連勝。大関陣では貴景勝に土が付き、首付近を痛めたもようで出場が危ぶまれる。

 早くも“横綱相撲”だ。照ノ富士が上手を許し、何度も食いつかれたが動じない。抱えてじっくりしのぐと盤石の左上手。伸び盛りの新鋭・若隆景を技術とパワーで料理した。

 対戦はこれで5戦全勝(不戦敗を除く)。「落ち着いて取れて良かった。(抱え込む形は)流れでそうなった。特に狙ってやっているわけではない」と格の違いを見せ付けた。

 初日の遠藤戦に続き、慌てず右四つの形に持ち込んでからの寄り。「稽古場でやっていることしかできないので、一生懸命やっているだけ」と、2場所連続優勝で自信も安定感も確実に増している。

 八角理事長(元横綱北勝海)も「冷静に取りました。この1年、自信を取り戻してますよね、負けないんだというね」と称賛した。

 29歳になり、イケイケだった20代前半とは違う。稽古場では若い衆に指導する場面が増えた。「教えることによって自分も学ぶことが多い。言ってるから、自分もそれをやらなくちゃ、教えられない。相撲の細かい部分をちょっとずつ気にするようになった」と、相乗効果になっている。

 かつて元横綱日馬富士、元関脇安美錦(現安治川親方)ら兄弟子から教わったことを継承。照強、翠富士、錦富士、さらに若い衆へ伝える。「チーム伊勢ケ浜」が照ノ富士を常に進化させてきた。

 平成以降の横綱10人全員が昇進決定場所では初日から2連勝している。まずは第一関門をクリアしたが「始まったばかりなので」と心はみじんも揺るがない。大関から序二段に落ち、はい上がった不屈の男は今が一番強い。

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