豊昇龍が朝乃山を裏返し 叔父・元朝青龍譲りの内掛け一閃で大関戦初星

 「大相撲夏場所・8日目」(16日、両国国技館)

 元横綱朝青龍のおい、東前頭5枚目の豊昇龍が朝乃山を内掛けで撃破し、初の大関戦勝利を挙げた。前日の変化に苦言を呈した八角理事長(元横綱北勝海)からも、あふれる素質を絶賛された。幕内最年少21歳が初の上位挑戦で3勝目(5敗)をつかみ、9日目も正代相手に大関連倒を目指す。大関復帰の照ノ富士が小結大栄翔を押し出し、自身2度目の中日勝ち越しで単独トップを守った。1敗を守った貴景勝が1差で追う。明暗の4大関は朝乃山が4敗、かど番の正代が3敗に後退した。

 勝利後の“どや顔”もインタビュー室での人懐っこい笑顔も叔父に似ている。技ありの内掛けで館内を沸かせた豊昇龍。何より格闘センスが叔父譲りだ。

 正面から当たってのど輪で起こす。朝乃山得意の右四つに組まれても休まず攻めた。右足を相手の左足首に内側から絡ませ、自身より43キロ重い174キロ巨漢をたたきつけた。

 「立ち合い、一番集中した。勝って良かった。自信?はい、なりました」と夢の大関初撃破に声が弾んだ。

 上位戦が組まれる今場所は「勉強」と話していた。だが前日の貴景勝戦で変化して惨敗。八角理事長から「今時の若い者にありがちな簡単に考えている」と酷評された。

 豊昇龍も猛省した。「自分の相撲が取り切れなかった。気持ちを入れ替えた」と一転、真っ向勝負。若さあふれる会心の勝利を理事長からも「やればできる」と褒められた。

 叔父が一番のヒーローだ。現役時の動画を見ては「熱くなる」と興奮する。初場所で初日から5連敗した際、叔父がツイッターで「ヘタクソ!!」などと連日投稿。そこから目覚めて9連勝した。叔父の言葉が本当に効く。

 今場所、叔父からの言葉はまだないが、最高の報告ができる。21歳、次代のスター候補が叔父と同じ横綱を目指し着々と成長中だ。

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