高安が1敗対決制す パパパワーで劇勝「1人じゃなく3人で戦っている」

 御嶽海(手前)を上手投げで破った高安(撮影・園田高夫)
 高安(左)は勢い余って土俵下に転げ落ちる
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 「大相撲夏場所・6日目」(14日、両国国技館)

 7場所ぶり関脇復帰の元大関高安が小結御嶽海との1敗対決を制し、V戦線に生き残った。猛攻をはね返し、最後は執念の上手投げで5勝目。先場所は中盤までトップを走ったが終盤に大失速。愛する妻子のため今度こそ悲願の初優勝をつかみ取る。大関復帰の照ノ富士が初顔の平幕豊昇龍を寄り切って無傷の6連勝で単独トップをキープ。1敗を守った大関貴景勝と高安の2人が1差で追う。大関陣は明暗が分かれ、朝乃山が3敗、正代が2敗に後退した。

 家族愛パワーで高安パパが劇勝をもぎ取った。御嶽海との1敗サバイバルは激しい攻めの応酬。最後は中に入られ、俵に詰まりながら、左上手に剛力を込め、投げ飛ばした。

 両者とも土俵下に転落。高安は胸、腹に返り血を浴びた。軍配は自身に上がって薄氷の5勝目。「何回か中に入られたけど前向きに相撲が取れた。腰を落として我慢できた。最後は際どかった。勝ちにつながって良かった」と執念が上回った。

 2月に生まれた第一子となる長女と演歌歌手の杜このみ夫人(31)が里帰り出産から先場所後、自宅に戻ってきた。「自分1人じゃなく3人で戦っている。すごく心強い。精いっぱい頑張って家族を喜ばせたい」と、3人での新生活が一番の発奮材料になっている。

 場所中でも愛妻と協力して子育てする“イクメン”ぶり。何より家に帰り、妻子が待っているのが幸せだ。「すごくホッとする。(奥さんは)サポートしてくれる。恩返ししたい」と、応えるには初優勝しかない。

 先場所は10日目まで9勝1敗で首位を独走したが終盤、1勝4敗と崩れた。何度もV争いをしながら届かぬ悲願。それでも「いい経験。先場所の経験をつなげたい」と、何度も挑み続ける決意だ。

 先場所は10勝、今場所2桁勝利なら来場所が再大関とりになる。「(愛娘を)抱いてみて感動したし、もう1回、番付を上げたい覚悟ができた」と家族に「大関高安」の姿を見せることが新たな目標。「千秋楽まで優勝争いをして盛り上げたい」。パパは今度こそ賜杯と愛娘をともに抱き上げる。

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