元旭天鵬の友綱親方がコロナ禍振り返る 陽性で泣く弟子に「お前のせいじゃない」

 コロナ禍に見舞われた大相撲、友綱部屋の師匠・友綱親方(元関脇旭天鵬)が20日、電話取材に応じた。同部屋は初場所前に幕下以下1人の新型コロナウイルス感染が判明し、幕内魁聖ら部屋全員が初場所を全休した。

 場所直前に休場となり、全員がショックを受けた。「初めてだったから正直、それぞれ動揺はあったと思う。(審判部の)自分も場所に行くつもりで紋付袴(もんつきはかま)など準備できてた状態が急に(本場所前日の)土曜日に仕事に行かないと聞いて動揺した」と明かした。

 緊急事態の中、部屋で自粛となった力士には「(初場所全休の)2週間長い。部屋の名前も出てるし近所の目もあるし、感染に注意しながらみんなでやっていこう」と伝えた。

 同じく初場所直前に感染者の出た九重部屋は場所中も続々、陽性者が増えた。「途中から感染者が出るかも分からないし。ニュース見て、いつ自分たちもそんなふうに出るか分からないと不安もあった。(親方の)子供も自主的に学校を休ませて、おかみさん以外みんな外出していない」と、ウイルスの恐怖に直面した。

 陽性者は1人にとどまり、部屋内で拡散することがなかったことが一番の安ど。一方で親方がずっと心を痛めたのが陽性となった力士のこと。まず部屋に隔離され、その後、入院。症状は何もなかったが、責任を一身に背負っていたという。

 「一番気の毒なのはきっかけになった(幕下以下の)子。彼の精神的なことが心配だった。入院まで何日間か部屋で隔離されてたが電話したら、かわいそうに『自分のせいで』と泣いていた」。親方は「お前のせいじゃない」と励まし、今は元気も取り戻し稽古に打ち込んでいる。

 2月に入り、自宅で自主トレしていた魁聖や十両旭秀鵬も戻り、部屋での全体稽古も再開した。「顔を見てホッとした」と親方。旭秀鵬は久々に部屋のちゃんこを食べた際は「うまい」と、喜んでいた、という。

 十両旭大星は夫人、幼い子供がいる中、初場所中、自宅を離れ、部屋で住み込み、稽古を続けた。「『僕はトレーニングとかしたいので今日から部屋にいます』と。(1月)8日の夜から部屋に。子供も小さくて奥さんもいるのに。30歳を過ぎているからいつまでできるか分からないし。足のけがもあるし。いろんなことを含めて判断したと思う。偉いなと思った。若い衆も関取がいることでトレーニングの内容も変わる。すごい良かった」と、旭大星が若い衆を引っ張ってくれた。

 親方の家族も大変だった。中学受験を控える長女は学校に行くのを自粛し、部屋で受験勉強を続けた。親方は静かに、韓国ドラマなどを見て勉強の邪魔しないように過ごした。部屋の協力もあり、困難を乗り越え、晴れて合格通知も届いた。

 部屋一丸、ムードは明るい。「次の場所でみんながいい成績を残さないと。応援してくれる人もあるわけだし。他のお相撲さんよりも1場所休ませてもらったわけだから。とりあえず3月は全員が勝ち越す気持ちでやらないとね、という話は(弟子に)しました」。春場所(3月14日初日、東京・両国国技館)に思いをぶつける。

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