白鵬、綱とり貴景勝の「強い壁になる」“注意”後、初の取材対応

 3場所連続休場している大相撲の横綱白鵬(35)=宮城野=が9日、横綱審議委員会(横審)から11月場所後に史上初の「注意」決議を受けた後、初めて取材に応じた。

 過去12場所で休場が8回。秋場所、11月場所と自身初となる2場所連続全休など、厳しい状況なのは自身もよく分かっている。

 「今まで途中休場を挟んで全休というのはありましたけど、今回は2場所連続全休というのが初めてですからね。だから、今回そうなったというのは分かりますしね。あとやっぱり応えていくだけじゃないかな」と批判を跳ね返す再起へ意欲。

 横審からは注意と同時に若手の壁になることも求められた。「14、15年そういうつもりでやってきたし、それも変わらないね。変わらずに意識を高めて、意識を持ってやっていきたいですね」と、力を込めた。

 この日、部屋での稽古では十両石浦相手に立ち合いの当たりを15本。当たりを受け、両足で踏ん張って回復具合も確認した。すでに相撲を取る稽古も再開しており、一歩ずつ段階を踏んでいる。

 「まだまだですね。日に日にという感じですね。足裏の感覚とか、下がった時に膝にかかる負担とか。そういったものを今日は中心にやってきたかなという感じですね」と、慎重な調整が続く。

 先場所同様、18日からの合同稽古に参加の意向。「この合同稽古に合わせて体作りしていきたいなと思いますけどね。後はなんだろう、分からない世界だね。運に任せるというか、流れに任せるというか。そんな感じですね」と、コロナ禍の中、通常とは違う調整はやはり不安はある。

 前回の合同稽古も周囲からは良く見えても自身は「全然良くなかったですけどね」と状態は上がらなかった。「自分の中では全くダメだったし。ケガ、膝を手術した人間にしか分からないのかもしれないね。焦りの気持ちの中で、傷口がいいと思われる中で、(膝の)中がもうちょっとだったんだろうね。また痛めてしまったと」。久々の稽古で焦りもあった。膝は万全には程遠く、休場を決断せざるをえなかった。

 両横綱と2大関が休場する中、一人大関の貴景勝(常盤山)が優勝して責任を果たした。白鵬は「よく頑張ったと思いますし、そして大関として初でしょ?自信になったでしょうし、目指した部分もあったと思う。これでまた先輩方の思いを受け継いだという、そういう感覚も動いただろうし」とたたえた。

 綱とりに挑む大関の壁になることも使命。「(貴景勝が)もう1つ上の番付に挑戦する訳ですから。その辺はやっぱり強い壁があってこそ、越えて上がるべきですね。15日間の中で1日どこかでぶつかる訳だから。思い切りいきたいですね」と意欲を見せた。

 来年初場所(1月10日初日、東京・両国国技館)へ向け、あえて目標は作らない。「目標はないですね。ある人に聞いたんだけどね。目標なんか作ったらとんでもないんだ、それはできないんだ、と。確かに44回優勝する、横綱目指して頑張る、最初からそういうのないからね。気付いたらそこにたどり着いていることなので、それに気付かされた。1日、自分がやることを積み重ねて頑張ると」と自然体で臨む。

 新型コロナウイルスに戸惑うばかりの1年だった。「不思議な。みんながそう思うけど。そんな年だったんじゃないのかな。早くワクチンが入ってきて普段通りに生活したいなと思っています」と、収束をただ願った。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス