坂本花織が初V、自己新&世界歴代7位相当の高得点 「マトリックス」完全体現!

 「フィギュアスケート・NHK杯」(28日、東和薬品ラクタブドーム)

 女子は18年平昌五輪代表で、SP首位の坂本花織(20)=シスメックス=がフリーでも完璧な演技を見せ、参考記録ながら“自己ベスト”となる総得点229・51点でGPシリーズ初優勝を果たした。

 果たしてこれは夢か現(うつつ)か-。仮想現実をテーマにした映画「マトリックス」の世界を見事に体現した坂本は、演技を終えると、不思議そうに周囲を見回した。降り注ぐスタンディングオベーションに、現実であることを確認すると、ようやく両手を突き上げた。「緊張しすぎて拍手が聞こえなかった。ノーミスで滑ることだけを考えていた。出せるもんはすべて出せたかな」と、得意満面に笑った。

 不完全燃焼に終わった昨季。最後までこのフリーをミスなく演技できなかったことが、心残りだった。映画のアクションをほうふつとさせる振り付けをふんだんに盛り込んだ消耗度の高いプログラム。「去年できなかったのは体力不足」。新型コロナウイルスによる自粛期間のリンクで練習できなかった1カ月半、みっちりと基礎練習を積み、スタミナアップに努めた。この日は終盤でも持ち前のスピードは衰えず、その迫力は断トツトップだった表現力を示す5項目の構成点にも表れた。「1カ月半追い込んだのは無駄じゃなかった」と、胸を張った。

 今季GPシリーズは新型コロナの影響による変則開催のため得点は参考記録となるが、自己ベストを上回り、世界歴代7位相当のハイスコアをマークした。それでも、まだまだ伸びしろもあると実感している。SPではスピンやステップで取りこぼしがあり、フリーのジャンプ構成も「どうするか考えたい」と、さらなる難度アップを視野にいれる。

 今大会不参加の紀平梨花とともに、世界を席巻するロシア勢に対抗できる存在だ。次戦は2年ぶりの女王奪還を狙う全日本選手権(12月24日開幕、長野)。「しっかり練習して、全日本でも“やったったぞ!”と言えるぐらいの演技をしたい」。22年北京五輪へ、日本が誇る元気印の夢を現実に変える戦いは続く。

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