メドベージェワ、恩師との電撃再タッグ 確執経て和解「まるで映画」露メディア驚く

 フィギュアスケート女子で、18年平昌五輪銀メダリストのエフゲニア・メドベージェワ(20)=ロシア=が、五輪後に袂を分かったエテリ・トゥトベリゼコーチを再び師事することを発表した。

 電撃的な“元サヤ劇”は、ロシア国内でも驚きをもって受け止められている。国営通信社の「タス通信」は「メドベージェワとトゥトベリゼの物語はまるでハリウッド映画のよう」と題した記事を掲載した。現地スポーツ紙の「スポルトエクスプレス」も「この和解は本当に奇跡です」と、報じた。

 平昌五輪後、メドベージェワは幼少期から10年以上指導を受けてきたトゥトベリゼ氏のもとを離れ、カナダのブライアン・オーサーコーチに師事した。メドベージェワは五輪前まで世界選手権、GPファイナル連覇を果たし、絶対女王として君臨していたが、金メダル最有力とみられていた五輪では2歳年下でシニアデビューしたばかりだったアリーナ・ザギトワに敗れ、銀メダルに終わった。

 師弟関係解消の際、トゥトベリゼ氏は国営放送のインタビューで、メドベージェワが突然連絡を断ったことや、ザギトワについて「なぜジュニアにとどめておくことができなかったのか」と訴えてきたことを暴露。確執が表面化していた。

 きっかけは新型コロナウイルスによる現状だ。メドベージェワは日本で行われるアイスショーの主演を務めるため、4月にカナダから来日。しかし、新型コロナウイルスの影響で同公演は中止となり、その後、ロシアへと戻った。カナダへの渡航は制限されており、モスクワでオーサー氏からリモートで指導を受けつつ、名伯楽のタチアナ・タラソワ氏のもとで練習してきたが、トップレベルでの日常的なコーチングの必要性を感じ、今回の決断に踏み切ったようだ。

 2年間、メドベージェワを指導してきたブライアン・オーサーコーチは師弟関係の解消について、米NBCの取材に応え、「コロナがなければ、こういう話にはならなかったと思う」としつつ「エテリのもとに行くことは本当に突然だった。私は怒ってないし、恨んでもいない。誰も予見できなかった。ちょっとショックだった」と、本音を吐露した。

 現在、ロシア女子は昨年シニアデビューで世界を席巻したコストルナヤ、シェルバコワ、トルソワに加えて、北京五輪シーズンにシニアに上がる14歳のワリエワなど、若手が台頭。五輪金メダリストのザギトワですら競技復帰が見通せない状況となっている。過酷な国内代表争いの中、環境を戻した20歳の元世界女王は輝きを取り戻せるか。

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